静かな連休が明けた頃、一般的なアウトドア本とは一線を画す、一風変わったテーマを掲げた1冊の書籍がひっそりと発売された。

『“無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術』(グラフィック社刊)と題されたその本は、書名の通り、人がいない場所をいかに探し出し、辿り着き、快適に過ごすのか、無人地帯での遊び方について書かれた特殊な一冊だ。

 とはいえ、厳しい環境をなんとかして楽しもうと著者たちが頭を捻った計画の立て方や道具の選び方、スキルの使い方、自然と対峙する方法は、程度は違えど、私たちが身近な登山やキャンプに出かける際に考えるべき事柄との共通点が驚くほど多い。むしろ、登山やキャンプは好きだけれどハードな場所に出かけようとは思わない、そんな方にこそ読んでいただきたい内容である。

 先週から週に1度のペースで、この書籍の一部を誰でも「試し読み」できるよう公開している。第2回は第2章「道具術」から、荷物運搬の要となるバックパックの選び方について書かれたパートを紹介しよう。