バックカントリースキーで使う用具選びの中で、最も重要と言えるのがブーツ選びだろう。今やほとんどのスキーブーツメーカーがラインナップしており、選ぶ楽しみがある反面、どれにするのか非常に悩ましい……。

■バックカントリースキーにはATブーツ!

ATブーツとテックビンディングの組み合わせが現在のスタンダード

 AT(アルパインツーリング)ブーツと呼ばれるこのカテゴリー、最大の特徴はウォークモードがついていることだ。また、ピンタイプのテックビンディングに対応しているかどうかも重要だが、最近のATブーツは対応しているものが多い。

 他には重さ、硬さ、足に合うかどうかなども判断基準となる。重さと硬さに関しては、軽い硬いが良いという訳ではなく、自分の体格、技量、志向に合わせた選択が大切だ。それらが自分で分かっていれば、あとはどのブーツが自分に必要なのかを選ぶことができる。

 今回は数多くあるブランドの中でも、登山靴やバックカントリーブーツにおいて世界のトップブランドである「スカルパ」のラインナップから、それぞれの特徴を説明していこう。

■全11種! ラインナップ豊富な「スカルパ」

スカルパのキャッチコピー「行けないところはない!」

 スカルパのATブーツは大別して、「マエストラーレ」、「F1」、「エイリアン」の3種類のシリーズに分かれている。マエストラーレだけで5機種、F1が3機種、エイリアンも3機種のラインナップがあり、合計11ものモデルの中から選んでいくことになる。

 かゆいところに手が届くほどのラインナップ、これだけあればそれぞれの用途や好みに合わせたブーツを選択できるだろう。それぞれのシリーズの特徴を説明すると、マエストラーレはもっともバランスのとれた一般的なバックカントリー用ATブーツ。そのうえで、硬さ、滑走性能の違いを細かく分け、さらにレディースモデルのラインナップも展開されている。

 それに対し、F1シリーズは軽さと歩行性能に主眼を置いたラインナップ。滑りよりも登りを重視し、長い距離のスキーツーリングに向いたラインナップとなっている。

 エイリアンはskimoと呼ばれる山岳スキー競技用のブーツ。軽さと登りでのパフォーマンスを最優先しており、競技以外の用途には向かない。