まだまだスノーシーズンは終わらない! とはいえ春の訪れとともに雪は消えていく。冬と春の境が曖昧な時期。そんな季節を満喫するべく、子供たちの春休みに合わせて福井県へ行ってみた。以前、恐竜好きな息子にせがまれて、福井県勝山市にある「福井県立恐竜博物館」に行ったことがある。その際、恐竜博物館から見える山にスキー場があるのも気になっていた......。

■「スキージャム勝山」で春スキー!

春スキーは地形でまったりと楽しむ

 スキージャム勝山、「ジャム勝」の呼び名で人気のスキー場である。近年はツリーランコースも管理し始めているらしく、動画などで発信されているので気になっていた。いつかはトップシーズンに......という思いも込めて。シーズンも終盤でコースも減少していたが、ゲレンデを下見? 地形の確認? 周辺の山の偵察? という思惑が、気持ちをワクワクさせる。やっぱり初めての山はいい。本当に雪があるのか怪訝な顔をしていた子供たちも、リフトで雪のある所へ向かうのが新鮮だったのか、いつもと違う空中散歩を楽しんでいたようで一安心。でも、下に雪がないとリフトって結構高いところ行くのね。ちょっと怖いな。

リフト下に雪がないと、普段より高さを感じてしまう

 遠くに望む霊峰白山の白き姿、ゲレンデには綺麗なグルームバーンやコブ、バンクやウネリが見えてワクワクが止まらない。長い乗車時間にスキー場の大きさを実感した。

■春のザラメはメローに楽しむ! バンクやコブも楽しいぞ!

暖かい春スキーは子連れにもぴったり!

 朝の始発からリフトに乗れたこともあり、最高のザラメ(※1)が僕ら家族を待っていた。良質のパウダースノー、ザラメはどちらも出会うのが難しい。その日の天気・気温・風・時間・斜面の向き等々で刻々と雪質が変化していくからだ。良く走るザラメはパウダースノーに負けないくらい気持ちいい。浮遊感のあるパウダースノー、深いターンでGを感じるザラメ。そのどちらも楽しんでる子供たちの姿を見るのは嬉しいものである。

 滑れるコースを全て滑走し、ちょっとハイクして展望エリアへ。周囲のオフピステエリアを徘徊してオヤツをモグモグ。近くに見える山々には魅力的なラインがいくつもあるようだ。ツリーランと一緒にいつかはあのラインを攻めたいなと妄想しつつ偵察完了! 子供たちと深いカービングターンや地形を使ったスラッシュなど春のセッションを楽しんだ。

「次はフレッシュパウダーのシーズンにこよ!」

※1 雪質の一種。ザラメ糖のような大きな粒の状態。春に出会う可能性が高い。コーンスノー。

■「福井県立恐竜博物館」でご当地アスレチック!

恐竜博物館ならではの、ご当地感溢れるアスレチック!

 息子にせがまれて訪れたことがある「福井県立恐竜博物館」。施設が素晴らしく、その後また訪れたほど気に入っていた。 今回ももちろん予定に入れていた。そこで疲れすぎる前にスキー場を後にし、博物館でランチタイム。午後は公園の恐竜アスレチックでひと遊び!

「ご当地アスレチック! 迫力すごくない?」

 アスレチックはいいね。自然に楽しく体の使い方を覚えられるし、何よりおもしろい。恐竜好きな息子にとって、ここは最高のアスレチックのようだ。まだまだ 遊び足りない子供たちと、今日はこれから海辺のキャンプ場へ。残雪輝く山並みを背に、桜咲く清流と並ぶように車を走らせて海へと向かった。

■海と山の近さを感じさせる「鮎川園地キャンプ場」へ

目の前は海! 鮎川園地キャンプ場

 スキー場から車で1時間半ぐらい走ると、そこはもう日本海だ。「鮎川園地キャンプ場」は、リアス式海岸を眺めるロケーション。入念に整備された芝生に松林、炊事場やトイレも綺麗なキャンプ場だ。近くには大型スーパー等はないものの、コンビニがクルマで10分くらいの位置にあるので便利だ。夕暮れが迫る中、手早くテントの設営を済ませた。急いで釣り竿を片手に目の前の磯へ......。夕マズメ(※2)の絶好の時間帯の中、果たして魚は釣れるのか?

「景色が良くても、マズメ時でも、魚がいなければ釣れないのが釣りなんです。」

夕マズメ。穏やかな海に釣り糸を垂らす

 太陽が沈む。けれど子供たちの釣り竿のウキは沈んでいくことはなかった。獲物が獲れなかったので、焚火を熾して今夜はコンビニのお惣菜かな、とテントサイトへトボトボと歩いて行った。するとキャンプ場のスタッフが、管理棟の横に積んである流木は自由に使っていいと言ってくれた。岸に流れ着いた流木は冬の季節風の置き土産でもある。それを集めてくれてるなんて、焚火ニストにはたまらないサービスである。

※2 夕方、日没付近に魚たちの活性が上がり釣りやすくなる状況。朝方なら朝マズメ。

■流木で焚き火!

流木がいっぱい。焚き火ニストにはたまらない光景!

 直火はだめだけれど焚き火台ならOK! 無くなってしまったら終了とのこと。気さくなスタッフの方が、せっせと運んでくれた。娘がノコギリで流木を切っている間、息子は袋に松ぼっくりを嬉しそう集めている。着火剤がわりに使うのだ。少し前まで雪上にいたのが不思議な感じがする。

「雪山で冷えた体にじんわりと......」

 乾いた薪は容易に火が付き、松ぼっくりが不思議な炎の色を演出している。夕食は残念ながら簡素なものになってしまったが、焚き火はメニューをグレードアップする効果があったようだ。お腹いっぱいになった子供たちは、揺らめく炎にあわせて原始の本能をくすぐるような動きで踊り始めた。どうやら今日の焚火は人を原始に戻してしまうらしい。一緒に踊りながら、ときおり舞い上がる火の粉を見上げた。頭上にはきれいな星空が広がっていた。

 消灯時間になる21時には海風が少し強くなってきたので、子供たちは車中で寝ることにした。僕はテントを独り占め。夜中にはますます風が強くなってきたのか、ペグを打ち直す音があちこちで聞こえた。どこでも寝れてしまう僕は風と波の音を聴きながら、快適空間で眠りについていったのだった。

■波の音を聴きながら、淹れたてのコーヒー、低音で流れてくるバラード曲......

焚き火台で流木を燃やす

 こんなキャンプをいつも夢見ている。今回は天気に恵まれ準備も万端だった。どこの施設も優しい気配りが嬉しかった。山も海も季節を変えてまた来たいと思える場所だった。真冬にパウダーのツリーラン、夏には柱状節理の磯場でのシュノーケリング、と興味は尽きない。

 けれど山と海の近さを感じられる地域では、この冬のように大きな雪害を受けることもある。日本海側では冬にそんな厳しさに出会うことがあるけれど、それもまた大きな恩恵があることも知っている。厳しい気候がまた魅力的なフィールドを作っていくのかな、とも思う。この地がそうさせるのか。恐竜のいた時代、悠久の時の流れに想いを馳せて、そんなことを考えてみた。

 でもそんな考えは、元気いっぱいに起 きてきた 11歳の娘と7歳の息子の朝ご飯の要求によってかき消されてしまった......  朝ご飯を食べながら今日の予定を話し合っていく。

 まぁ、今は悠久の時より目の前の10数年ですよね!