■撮影の舞台は2020年、初夏の南アルプス
話を動画に戻そう。舞台は2020年夏の南アルプス。梅雨明けと同時に入った山の天気はまだ不安定で、沢は増水していて思うように先に進めず、魚もあまり釣れない。楽園はまだまだ遠い。
山で生活して旅をしていくうえで、小さなアクシデントや予想外のことは日常茶飯事。旅はこれといったハイライトもなく淡々と進むようにも見えるし、全てがハイライトとも思える。
私事ではあるが、本作は動画の撮影・編集を担当するデビュー作だった。そのため技術的に乏しいということもあり、できるだけシンプルにプラスもマイナスもしないような動画制作を心掛けた。視聴していただく方々が、一緒に旅に行っているような気持ちになってもらえたら幸いである。
■撮影機材と12日間の足跡の話
今回は「SONY RX0 2」というカメラで撮影を行った。雑誌用などに写真を撮るためのカメラよりだいぶ軽い。
バッテリーとカード容量の問題があるので長回しはしない。余計なものを撮る機材的余裕がなく、録画時間は決して多くはない。トータル12日間の旅で使った容量は224GB。トータルの時間は分からないが、大体7時間くらい回したものを、この1時間弱の動画にまとめている。
山行ルートは、信濃又河内から歩き始め、茶臼岳、上河内岳、聖沢、聖岳、奥聖岳、百聞洞、赤石岳、中岳、小西股、中俣、塩見新道、三峰川、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳三峰川、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳までを12日間で歩いた。
動画を見て、心のモヤモヤがパーっと晴れて自由な気持ちになってくれたら最高。服部さんと一緒に旅に出かけてみましょう!