◼️編笠山に登るか、それとも巻いて下りるか

小屋から先は、苔むした針葉樹の森をゆく

 青年小屋まで来たら、残すは全体の1/3ほど。

 ここからは、体力に余裕があれば編笠山を目指すこともできる一方、編笠山を巻いて下山するルートも選択肢です。

眼下に見えるのは青年小屋。編笠山への登り返しが、一番キツいかも

 コースタイムだけを見ると、両者の差は30分ほど。ただ、実際は疲れた体で登り返して、山頂で休憩して…… と考えると、1時間くらいは差があると考えるのがよいでしょう。

明るいカラマツ林になってきたら、登山口が近づいてきている証拠

 どちらのルートを選んでも、下りは北八ヶ岳エリアを思わせるような美しい苔の森の中を進みます。登りの尾根は比較的乾いた道が続くため、また違う景色の中を歩けます。この時期は、登山道脇にもいろいろな種類のキノコが見られるので、足元にも少し目を向けながら歩いてみると、長い下りも楽しみながら歩けると思います。

◼️水場は1か所のみ。天候判断も重要

9月上旬であれば、まだギリギリ花を楽しめるかも

 このルートで注意したいのは、水を補給できるのは青年小屋から5分ほどの場所にある乙女の水1か所のみということです。沸いているかの状況確認は、青年小屋のHPかインスタからチェックできます。駐車場周辺にも水道はないため、必要な水分量を計算して準備していきましょう。

 また、特に上部の岩場と下りルートは、雨が降ると非常に滑りやすくなります。出発前に天気予報をよくチェックして計画を立てましょう。上で雨が降り出したら、登ってきたルートをピストンで下る選択肢も頭に入れておきましょう。

 ちなみに、八ヶ岳エリアにもツキノワグマは生息しています。北アルプスなどと比べると比較的遭遇事例は少ないようですが、念のための対策は忘れないようにしてください。

◼️残暑の時期に「しっかり歩きたい」人へ

上部は、なかなかの迫力。八ヶ岳主稜線へと繋がっていきます

 高い標高から歩き始められるため、残暑の時期でも比較的快適に歩き出せる観音平~権現岳~編笠山の周回ルート。ただし、約9時間30分のコースタイムと大きな高低差があり、岩場や鎖場も含まれるため、決して楽なルートではありません。

 それだけに、体力と経験があれば、非常に満足度の高い山歩きが楽しめます。長期の山行予定が雨で流れてしまったけれど、1日だけでもしっかり歩きたい。そんなときに覚えておきたい、残暑の時期の選択肢のひとつです。