■岩の狭い隙間に飛び込むアマツバメ
ただただ自由気ままに青空を飛び回っているように見えるアマツバメですが、よく見ると様々な個体がいることがわかりました。例えば、巣材となる枯葉を運んだり、飛んでいる虫を喉にため込んでヒナの待つ巣に向かったりするものがいるのでした。
アマツバメは、飛行術に特化させて進化を続けた結果、巣に戻る以外は基本的にずっと飛び続けているという驚くべき生態の持ち主となっています。餌を採ったり巣材を集めたりするのはもちろんのこと、寝たり交尾したりすることも飛びながら行っているだろうと言われています。人間の想像を絶する行動が、アマツバメ界隈では繰り広げられているのでしょう。
飛ぶ速さは時速100km超え。そんなアマツバメが時折燕島の狭い岩の隙間に飛び込んでいきます。その奥にある巣やヒナの姿を見ることはできませんでしたが、アマツバメの体がやっと入るほどの隙間に衝突することなく一瞬で入り込むという飛行術には驚きを隠せません。
■ドッキリ! 首がないのに飛んでいる!?
アマツバメの撮影は、まるでシューティングゲームのようでした。ある1羽に目星をつけてファインダーに入れ、オートフォーカスのピントが合うのを待ちながらレンズを上下左右に振り続けます。そんな状況だったので、多くはピンボケ写真のオンパレードでしたが、筆者の目が釘付けになる一枚がありました。「く、首がない!」そんなはずはありません。しかし、何度見返しても間違いではありません。どうやら、飛んでいる最中に後ろを振り返ったのだと思われます。あまりにも器用なアマツバメの行動にまたもや驚きの声を上げるのでした。
本当は、まだまだ観察し続けたかったのですが、あっけない幕切れで帰宅することになりました。それはドーンという大きな轟音とともに高波が20mもの高さの岩を乗り越えてきたからです。頭から海水をかぶった筆者の服やカメラはびしょ濡れ。ついアマツバメの群飛に夢中になりがちですが、観察の際には、切れ落ちた足元や波しぶきに十分気をつけることが大切なようです。
燕島で繁殖をしたアマツバメたちは9月には南の国に向かって帰っていくとのこと。夏休みに伊豆に遊びに行く方も多いと思います。城ヶ崎海岸に立ち寄ってアマツバメの大群を観察するというプランを入れてみてはいかがでしょうか。