キャンプの面白さって何でしょう? 自然の中に身を置いて非日常感を味わうことや、あえて不便さを楽しむこと、デジタルデトックス……などが代表的な回答でしょうか。野外料理が美味しい、新しいキャンプ用品を試しに使ってみたいなど、より具体的な答えもあるかもしれません。

 でもその多くは、今やわざわざキャンプに行かなくてもできてしまうことです。何かをするという「目的」より、もっと根本的な魅力があるのではないでしょうか。自然の中で衣食住すべてを行って生活や時間を体験することこそキャンプの「本質」であり、引き寄せられるポイントであるような気がします。

食材を木に差して直火で炙る。みんな大好き“焚き火にマシュマロ”も、かなり原始的な体験といえる(画像/shutterstock)

 設営が甘ければ雨風に晒され、日が沈めば灯りをともさなければなりません。自然の現象やリズムに身を委ねながら、明日までの暮らしに必要なものを作り、快適になるよう工夫をする。そういった体験で得られる「力」は、子どもにとって大きなものであることは言うまでもないでしょう。キャンプ慣れした大人であっても、小さなトラブルはつきもの。予期せぬ事態に対策を重ねるうち、身についていると思われます。

 スノーピークはそんなキャンプで得られる経験や養われる力を、次の世代を育てるものとしたいとして「こどもピーク」プロジェクトを発表しました。キャンプ経験者もそうでない人も、その魅力を改めて知るものとなっています。

■「キャンプは究極のリアル体験」AI時代の意義

 スノーピークは2026年3月9日、子ども向け新プロジェクト「こどもピーク」の発表記者会見を開催しました。キャンプや野遊びを通じて子どもたちの「生きる力」および非認知能力を育む機会を創出・発信することが目的。

 代表取締役会長執行役員の山井太氏は「キャンプは究極のリアル体験」と語り、AIが急速に普及する現代においてこそ、その価値が際立つ、としました。焚き火の暖かさや爆ぜる音、朝の冷えた空気を肌で感じること、土や草が混じり合う匂い、キャンプ飯の味……こうした五感への直接的な刺激は、画面の向こう側では再現できないことであるのは確かです。

リアルな体験を通して得る力は、AI時代に必要な人間らしく生きる力につながる

 プロジェクトを立ち上げるきっかけとして「AI時代と言われる今、キャンプをするという行為が従来にも増して非常に必要なことになってきた」と述べ、キャンプの現場で子どもや親子の反響を体感してきたことがベースにあると説明しました。子どもの成長には五感を豊かにすること、また人間らしい人生を送るためには、キャンプが有用であることを強調しました。