海や川で釣ったその魚は、「持ち帰ってもいい魚だろうか?」と考えたことはあるだろうか。実は魚にはサイズや種類、釣った後の扱いまで、都道府県ごとに細かな条例などが定めてある。その規則に違反した場合は、密漁にあたる可能性があるのをご存じだろうか。
近年増えている密漁での検挙件数。悪質で組織的なものが横行しているとされているが、この中には「知らなかった」という密漁の自覚なく検挙されているケースも含まれていると思われる。
具体的には、サイズ規制に違反している魚を持ち帰ったときや、そもそも採捕が規制されているターゲットを持って帰ったとき、悪意がなくても密漁となってしまうのだ。
せっかくの釣りが、密漁というトラブルにならないように、釣行前に知っておくべきこと、確認しておくべきことを解説していく。
■マナーではなくルールにかかわること。特定の魚の「サイズ制限」
魚を釣ったときにまず気を付けたいのが、そのサイズだ。すべての魚に採捕可能なサイズの制限があるわけではなく、アジやイワシなどは対象外だが、自治体が資源保護のために指定している魚種には注意が必要だ。
例えば、キジハタは山口県の30cm未満や鳥取県27cm未満、岡山県の一部で23cm以下の採捕禁止など明確なサイズ規制が設けられている。一方で、筆者の住む宮崎県では、幻の魚・アカメの採捕禁止こそ広く知られているが、「18cm以下のカサゴのリリース義務」があることとなると、意外にも知らない釣り人が多い。
筆者自身も、根魚釣りを始めた頃に行きつけの釣具店で配布されていた啓発ステッカーを見て、初めてそのルールを知った一人である。「通い慣れた地元の海ですら、無意識のうちに密漁者になる危険性が潜んでいる」。その事実にハッとさせられたことが、改めてご当地ルールを調べるきっかけとなった。
「知らなかった」は一切通用せず、ケースによっては重い罰則 の対象になり得るので注意が必要だ。規定以下のサイズをリリースすることは、環境はもちろん自分自身を守るための必要な知識なのだ。無用なトラブルを防ぐためにも、釣行前には必ず「(都道府県名) 遊漁ルール」でネット検索し、現地の釣具店でも確認しておくと安心である。
■【衝撃】「釣ったら逃がす」が禁止されているケース
キジハタやカサゴとは逆に、釣ってもリリースしてはいけない魚がいることも忘れてはならない。
例えば、滋賀県の琵琶湖などでは、在来種や生態系の保護を目的として、ブラックバスやブルーギルといった特定外来生物の再放流(リリース)が条例で明確に禁止されている。
さらに恐ろしいのが運搬のリスクだ。特定外来生物に指定されている魚は、他の水域に移してしまうと、その地域の生態系を破壊する恐れがある。そのため、これらを生きたまま持ち運ぶ行為は特定外来生物法で厳しく禁止されており、個人の場合でも3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金という、非常に重い罰則の対象になり得るのだ。
釣れた場合はその場で締めて持ち帰るか、周辺に設置されている回収ボックス等に入れるようにしよう。