■レトロすぎる! SL時代のトンネル群を抜けて
もうひとつ、この自転車道が特徴的なのは、旧国鉄のトンネル群を抜ける(災害復旧工事に伴う通行止めのため、一部通れないトンネルがあります)ことです。
SLが走っていたという廃線跡のトンネルは、レンガが使われていたりレトロな雰囲気もたっぷり。ノスタルジックな気持ちにもひたれます。それぞれに個性があり、内部も違います。最初はおっかなびっくりでしたが、トンネルを走るのが楽しみになっていきました。
糸魚川からだと“白山トンネル”が最初に登場します。その次「道の駅 マリンドーム能生」の脇にある“小泊トンネル”がとくに印象的でした。ツタが覆うレンガ造りの入り口から内部を走ると、後半はアーチ状のシェッドとなります。まるでヨーロッパの古い寺院か遺跡のような印象で、気に入って何往復もしてしまいました。
トンネル内はひんやりとしています。これから夏にかけて暑さが厳しいときはクールダウンでき、熱中症予防にもなるでしょう。
照明は付いていますが、やや薄暗いです。くれぐれも安全のためにライトを点灯するのを忘れずに。
※ 灯台がある「鳥ヶ首岬」の前後で災害復旧工事が行われており、2kmほど通行止めになっています。この区間は国道8号線を走る必要があります。
■新しい景色との出会い! 五感で楽しむサイクリング
「名立谷浜(なだちたにはま)」でふたたび海に近くなります。空も徐々に晴れてきました。海岸近くの翡翠色から沖合いの群青色へ、海の色合いはとろけるように混ざり合い、冬の日本海とは違う明るさを感じます。
漁港と集落。板壁に瓦屋根の家々が軒を連ねる様子。トンネルを抜けコーナーを抜けるたび、新しい景色との出会いが待っています。お昼になっても、思いのほか海風はひんやりと涼しく、光、風、そして匂い……。景色を楽しみつつ、無心でペダルを漕いでいると、いつしか日常から切り離されて、心がゆっくりとほぐれていくのを感じました。