森や山を歩いていると、さまざまなチョウに出会う。優雅な雰囲気のアゲハチョウや小さくカラフルなシジミチョウなど、多様な姿をしたチョウたちが季節に応じて見られるものだ。

 ところで、そうして出会った色とりどりのチョウたちは本当に別種だろうか? というのも、じつは季節によって姿を変える虫たちがいるのだ。早速、解説をしていこう。

■春と夏で大きく姿を変えるサカハチチョウ

 チョウ目タテハチョウ科に属する「サカハチチョウ」は主に山で見られるチョウ。このチョウの面白い特徴に、”春と夏で大きく姿を変える”というものがある。

 春に発生するサカハチチョウの表ばね(はねを開いた時に見える面)は、オレンジ色の斑紋がはね全体に広がり華やかな印象。

サカハチチョウの春型

 一方、夏に発生するサカハチチョウは少しシックな印象になる。黒い部分の面積が大きくなり、はねを横断する太い白線が目立つようになるのだ。

サカハチチョウの夏型

 事前情報なくこの2つの姿のチョウを見れば、別種と思うだろう(僕自身、最初に春の姿を見ていたが、夏の姿を見た時は別種だと思ってしまった)。

 このように季節によって姿が変わる現象のことを「季節型」と言い、成虫が発生する季節に応じて「〇〇型」と呼ばれる。例えば春に成虫が発生するものは「春型」、夏に発生するものは「夏型」のように呼ぶ。

 なお、季節によって姿が変化する理由には、幼虫時代の日照時間や気温が影響しているようだ。