例えば、冬の雪道で車がスタックして自力で脱出できなくなったとしよう。周囲に人家はなく、スマホの電波も届かないため救助も期待できない。
助けを呼ぶために、やむなく徒歩で雪原を踏破しようにも、積雪に足を取られて思うように進めない。さて、どうしよう。
こんなときに役立つのが、先人の知恵である「かんじき」だ。今回はその場で手に入れられそうな材料で即席のかんじきを作り、実際に雪上を歩いてみた。
■かんじきとは
「かんじき」は古来より伝わる、雪上を歩くための道具だ。しなやかで折れにくいマンサクや、同様に弾力があり爪楊枝にも利用されるクロモジなどの木が主な材料で、装着すると足が雪に沈まず、歩きやすくなる。縄文時代の遺跡から似たような出土品があり、北陸から東北、果てはアイヌ民族も使用していた歴史がある。
「輪かんじき」という呼び名があるとおり、多くの場合、その形はリング状で足の面積を広く確保し、体重を分散することにより雪への沈み込みを防ぐといった仕組みだ。
■三角形のかんじきをDIY!
伝統的な「輪かんじき」を作るには木を長時間茹でて曲げるという工程が必要で、素人には難しい。
今回は簡易的な三角形のかんじきを作る。少ない材料と手間で作成可能なため、即席で急場しのぎには最適な形状だ。
実はこの三角形のかんじきは昔テレビで見かけたもので、海外のアウトドアのプロの方が木の枝で手早く作成し、雪山をすごい勢いで移動していたのを記憶している。ただ現在は、正しい作り方はネット上でも見つけることはできなかった。
そのため今回は、うろ覚えの記憶とアドリブを駆使し試行錯誤しつつ、製作を進めた。便宜上、これ以降「三角かんじき」と記述する。
■検証の場所選び
今回筆者が検証のため選んだ場所は、安全を考慮して山間部ではなく、駐車場の脇の積雪30cm程度の空き地(ほぼ平地)。作業のし始めは雪の表面が固く締まっていたが、製作と撮影を開始してから気温がどんどん上昇し、雪が柔らかくなっていった。
通常の靴だと場所によっては「ボコッ」という感触とともに20cmほど足が沈みこみ、歩きにくい。幸か不幸か、雪上踏破の実証実験にはもってこいのシチュエーションとなった。