氷点下での車中泊でもっとも悩ましいのが寒さ対策。ネットでは「窓をシェード(目隠し)で塞ぐ」という対策をよく見かけるが、正直この程度では完全な寒さ対策にはならない。
今回は100円ショップDAISO(以下、ダイソー)でも入手可能なアイテムで氷点下環境にて寒さ対策を施し、快適に睡眠できるか実験してみた。
季節はずいぶんと暖かくなってきたが、北日本や標高の高い場所ではそうとも限らないし、昼夜の寒暖差も合わせて考えると油断は禁物。ぜひ車内の快適化の参考にしていただきたい。
■氷点下での車中泊はどのくらい寒い? その解決方法とは
高価で断熱処理をされたキャンピングカーと違って、普通乗用車はいわば“金属の箱”のようなもの。外気温が低い日は、ドアも壁も冷え冷えである。従って窓をシェードで塞いだぐらいでは冷気を防げない。
かといって、エンジンをかけて暖をとる行為は、環境への配慮やガス欠などの危険があり、周囲への騒音問題も重なり推奨されない。そのため、ポータブル電源で動かす暖房器具やFFヒーターの導入、車の内貼りに断熱材を充填するなど、かなり大がかりな改造が必要となる。
しかしそのいずれも予算がかかり、技術と手間を要するので、DIY初心者にはハードルが高い。もう少し手軽で安価な解決方法はないものだろうか。
■新発想? 安価で手軽な寒さ対策「車内シェルター」
氷点下で電気を使った暖房器具・FFヒーターなしという過酷な環境下で朝まで熟睡するには、発想の転換が必要だ。ではどのような方法があるのだろうか。
筆者は車体そのものを断熱するのではなく、車内に「熱を逃がさないもう一つの部屋」を構築することを考えた。
注目したのはダイソーで入手可能な「ダニよけアルミ保温シート」だ。こたつや電気カーペットの下に敷くと冷気を遮断し、熱を反射して逃さないといったもの。これで車内に密閉に近いテントのような小部屋、「車内シェルター」をつくれば、体温をダニよけアルミ保温シートが反射しその熱を閉じ込めることで、寒さを遮断できるのではないか。
実はこれに似た「エマージェンシーシェルター」という商品があるが、こちらは薄いアルミ蒸着フィルムを筒状にしたもので、以前使ってみたところ破れやすいうえに素材のシャカシャカ音が気になるだけではなく、結露が酷くて実用性はほぼなかった。
■100均ダイソーアイテムで「車内シェルター」をつくろう
ダニよけアルミ保温シートは片面がアルミ蒸着フィルムで、もう片面が薄くて白い発泡ポリエチレンである。サイズは90cm×180cmで、厚さは1.5mm。これが5枚あれば身長176cmの成人男性をすっぽり収納できるサイズのシェルターが製作できる。
今回の車内シェルターは筆者の軽自動車のサイズに合わせ、高さ70cm、幅70cm、長さ190cmの箱状にすることにした。そのため、パーツとして床・天井・左右の壁用に70cm×190cmを4枚、箱の両端を塞ぐフタ用に74cm正方形(隙間を塞ぐ「のりしろ部分」を出すため4cm長くした)を2枚切り出す。ダニよけアルミ保温シートの長さは180㎝なので、切り詰めた際の切れ端を継ぎ足して190cmに延長した。
採寸してはさみで切断したが、ダニよけアルミ保温シートに丸まるクセがついており、これを平らにしないとまっすぐ切るのが困難であった。
各パーツの切り出しが完了したら、養生テープで貼り合わせ連結していく。養生テープを使用した理由は、手でカットでき貼り直しも容易だからだ。
自宅で作業したが部屋が狭くてやりにくかった。またパーツがまっすぐ切れていないと、後々貼り合わせが難しくなるので裁断には細心の注意が必要だ。
すべてのパーツを、六面体を展開した十字架型に連結したので、かなり巨大なユニットになった。このユニットの完成には約3時間を要した。
■車内への設営で苦心、細かい仕様変更
次に車内に設置する。座席をフルフラットにして、シェルターを設営し、その内部に寝袋を広げる手順だ。
シェルターはダニよけアルミ保温シートのユニットを天井から吊るすスタイル。最初はキャンピングロープのみで支えるつもりだったが、シートの重みに耐えられず、中央がたわむので、長い棒で上面部を支える仕様に変更した。
今回は家に余っていた突っ張り棒と、30年ほど使用していない渓流釣竿(グラスファイバー製)を四角い枠に組んで天井から吊り下げた。ユニットのサイズが大きいため、車内で広げてこの枠に掛けるまで苦労した。
吊り下げたシェルターの壁部分同士は、できるだけ隙間が生じないように養生テープで結合させた。最後に出入口となるダニよけアルミ保温シートの下辺をどうやって固定するか悩んだが、4か所ほど強力マグネットで固定し、半自動的に閉じられるようにした。
ようやく完成したのは、車内空間をほぼ二分する巨大な棺桶のような見た目の、四角く白い物体。