■棚田をかんじきで散策

かんじきを履いて森に入り棚田のビュースポットを目指す

 2つめのコンテンツの会場は、十日町市の蒲生という地域。このエリアには棚田が広がり、その周辺をかんじきで散策するという体験だ。この体験は十日町市を拠点する旅行会社「HOMEHOME niigata」の専属ガイドが案内してくれた。

 まず、道路から森に入るのだが、雪壁が高くて登るだけでもひと苦労。平らになった雪の上でかんじきを装着し、森に入って棚田が見えるポイントへと移動する。

かんじきは、いわば和製スノーシュー。履いていると雪に足が埋もれにくい
登りや下りなどさまざまな地形を歩くことで、かんじきの便利さを実感できる

 それほど長い距離ではないが、傾斜を横切り、少しの登り、そして木々の間を抜けながら下るなど、ルートは変化に満ちている。そして、ガイドが案内しながらこの土地ならではの自然の話をしてくれるのも楽しい。このあたりはブナの木をよく見かけるが、通常ならブナは山などの高所に生息している。標高が低いこのエリアになぜブナが生えているのか。その理由は雪の多さだという。ガイド曰く、「豪雪地帯のこの地域は半年近く雪に覆われており、雪があるとやっぱり涼しい。だからブナがここは高い場所だと勘違いしている」のだという。

雪の季節でも森のなかで形がきれいなブナの葉を見つけることができる

 また、ブナの木は保水力が高く、葉は分解されにくく落ち葉が土の中に積もってスポンジのようになりたくさんの水をもたらしてくれる。「だからブナの森の下には田んぼがあること多い」のだとか。かんじきウォークの体験を通して、自然と人の営みのつながりまで感じることができる。

勾配のある地形に小さな田んぼが階段状に広がっている
かんじきウォークのあとは郷土料理をいただきながらひと息つく

 雪に埋もれているが林道らしき場所に着くと、そこから沢に向かって階段状に広がる棚田を見下ろすことができる。豪雪地帯ゆえ、冬の棚田は数メートルの雪が積もり、まるで水墨画のような静寂さが漂っていた。

 かんじきウォークの後は、近くの古民家カフェに移動して、温かいドリンクをいただきながら体を温める。新潟の郷土食、笹団子をホットサンドメーカーで焼いたおやつも出され、柔らかくて熱々のお餅が格別のおいしさだった。

棚田のかんじきウォークを体験

 1日目の雪上イベント「雪育新潟フェス@苗場」では雪がもたらす遊びの豊かさを、2日目の「雪育新潟体験コンテンツ」では雪国で暮らす人々の知恵や自然との共生を知ることができた。こうした体験が子どもたちの心を豊かにし、雪のなかでも元気いっぱいに遊ぶ活力を育てていくのだろう。それこそが「雪育」なのだと、じみじみと感じられる体験だった。