豊富な知識と経験を持ち、日々たくさんの登山やキャンプ道具と接しているアウトドアショップの店員さんに、いま注目の製品を紹介していただくシリーズ。今回は、「WILD-1 ゆめが丘ソラトス店」のキャンプ担当、中山裕麻さんに「防災にも役立つアウトドアアイテム」をテーマに「ウォータータンク」のおすすめを挙げていただきました。

■キャンプでも非常時でも水の確保は重要

 ウォータータンク(ウォータージャグ)は言うまでもなく、キャンプのときの必需品です。キャンプ場では、水道設備がサイトの近くにあるとは限りません。水が必要になるたびに水場まで行っていたのでは、時間も労力も無駄遣いになってしまいます。

 そのため、飲み水を入れておいたり、洗い物や手洗い用だったりと、ウォータータンクは常備しておきたいですね。ちなみに筆者の場合は、キャンプでは飲み水用と手洗い&その他用として2つをセットするようにしています。

 ウォータータンクの本体は、ハードな作りのものから、やわらかいソフトタイプのものまでさまざまな種類がありますが、基本的にはどんなタイプであっても、水を確保するのに役立ちます。では、防災アイテムとして意識した場合、どんなウォータータンクがいいのでしょうか。

 「ズバリ、使わないときの持ち運びを一番に考えるのがいいでしょう」と言って、中山さんが挙げてくれたのが、ロゴスの「抗菌広口ショルダー水コン16」です。

ロゴスのウォータータンク「抗菌広口ショルダー水コン16」

■使わないときに持ち運びしやすいものがいい

 「抗菌広口ショルダー水コン16」は、LDPEという低密度ポリエチレンで作られています。これは抗菌仕様のやわらかい素材で、折り畳んで収納が可能です。では、「使わないときの持ち運びやすさ」を重視するのはなぜでしょうか。

 中山さんは、「非常時にウォータータンクの出番がくるのは、災害が起きてしばらくたってから」だと言います。「まずは避難することです。避難や移動をしなければならないとなったときに、軽くてコンパクトになる製品なら、家から持ち出すときに負担になりません」(中山さん)

家から持ち出すときにも負担にならない大きさ

 断水のときなどは、まず備蓄してあるペットボトルの水でしのぐことになるでしょう。そして、もしもそれでは足りなくなったとき、例えば、給水車から配給してもらう場合に、持ち運びやすいというのは重要な観点ですね。コンパクトになれば、普段から防災バッグに入れて保管しておけます。

■やわらかい素材なので設置する場所には要注意

 ただし、やわらかくて折り畳めるということは、それなりに使うときの注意点があります。「本体がとにかくやわらかいので、不安定なところに置くとひっくり返る危険性があります。置き場所には要注意です」(中山さん)。本体の底全面がしっかり設置できるスペースを確保しましょう。

 「また、高いところから落ちると割れてしまいますから、高い場所には置かないほうがいいですね」(中山さん)

底全面が安定して置ける場所に設置したい

 写真を見てもわかるように広口タイプなので、水を入れるのもラクですし、ロックアイスなども袋から直接流し込めます。広口だと中の乾きも早いので、衛生的に使えるのもメリットです。

 ショルダーベルトも付いているので、水を入れて持ち運ぶときにも便利、使わないときは取り外しておくこともできます。

ショルダーベルトがあるから持ち運び時もラク