「子どもと一緒にキャンプを楽しみたい」と考えているパパさんやママさんは、キャンプで培う知識や体験、使うグッズに至るまで、実はいざという災害時にも大いに役立つということをご存知でしたでしょうか?  キャンプという体験を通じ、家族で楽しみながら“防災力”を育て、大切な人や子どもの笑顔を守れるよう「もしも」に備えましょう!

■アウトドアの原点

 アウトドアの原点とは、衣食住の3つ、即ち“生活”です。もし日常生活の中で災害が発生し、ライフラインが断たれ、衣食住の生活がままならなくなった時のことを考えてみてください。避難施設での生活は、最低限の水と電気、そしてトイレは確保されているとしても、ホテルのようにお風呂や洗面所、布団などはあるはずがありません。日常の生活に比べて不便な生活を強いられることになります。

 でも不便な生活って、言い方を代えればキャンプも同じですよね。快適さを提供するグランピングを除き、知識やグッズで補いながら自然の中の不便な生活を楽しむ行為がキャンプです。キャンプを体験することで、楽しく防災を学ぶことができるはずです。

キャンプは防災の知識やスキルを楽しく学ぶことができる機会です

■原点その1. “衣”

 キャンプにおいて「寒い」「暑い」は大きな問題です。寒さによって体温が低下すること、もしくは暑さによって熱中症や脱水症状になることは、命に関わる可能性がある大きな問題です。体温を保持することは、生命を維持するために欠かせないことです。

●体験1.  エマージェンシーブランケットを使ってみよう!

 キャンプ用品の中で防災にも役立つグッズとして代表的なものに、エマージェンシーブランケットがあります。防風・防寒に役立つ薄い銀色のシートで、体に巻きつけて使います。防災グッズとして持っていても、実際に使ったことのない人が多く、実力を知っている人は少ないのでは?  そこで、実際に家で使ってみましょう。1人でくるまったり、家族でくるまったりと、どのように温かさを感じるか体感してみることをオススメします。そうすることで、万が一の災害時でも安心して使うことができます。

エマージェンシーブランケットを使ってみよう

■原点その2. “食”

 食べるにしても、飲むにしても、生きる為に必要不可欠なのは水ですよね。キャンプでは、何度も水道まで行くのは大変になるため、大容量のペットボトルやポリタンクを用意することが多いです。ペットボトルは飲料用として、ポリタンクは煮沸をして飲むほか、調理や手洗い用に使ったりします。

 防災備蓄として必要な水の量は一般的に3リットル程度と言われていますが、実際に家族が生活するのに必要最低限の量を知っておくことで、もしもの備えに役立ちます。

●体験2. ポリタンクで生活してみよう

 オススメのポリタンクは、水道のように開閉できる蛇口が付いているタイプです。キャンプ用に購入したとしても、防災グッズとしても活用できるので損はありません。家で一日ペットボトルやポリタンクから水を使って過ごしてみて、家族がどのくらいの水を必要としているのかを実験感覚で調べてみたら、子どもも楽しめるかも知れません。水を大切に使う意識も芽生えそうです。

ポリタンクは蛇口付が便利