都心から電車とバスでアクセスできる、奥多摩の秘境「日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう)」。真夏でもひんやりとした空気と幻想的なライトアップが楽しめるスポットである。今回は筆者が実際に訪れて感じたことや、必要な準備、注意点などをお伝えしたい。
■見学スタート! チケット購入から鍾乳洞の入口まで

地下水が石灰岩を長い年月をかけて浸食しでき上がった神秘の洞窟、鍾乳洞。大小多くの鍾乳洞が日本全国に存在するが、日原鍾乳洞は東京都西多摩郡奥多摩町にある都内最大級の鍾乳洞で、その全長は800mにも及ぶ。都心から電車やバスでアクセスしやすく、奥多摩エリアでは人気の観光地となっている。
鍾乳洞の中に入るために、受付の券売機でチケットを購入(大人900円、中学生700円、小学生600円)。売店やトイレも完備されており、整備された観光地といった印象だ。売店で売られているアイスクリームを食べて一息入れるのもよいだろう。準備ができたら、いよいよ鍾乳洞内へ。
■一歩足を踏み入れれば、そこは別世界!

鍾乳洞の入口をくぐった瞬間、空気が一変。気温は年間を通して11℃程度とひんやりしており、まるで天然のクーラーだ。道幅が狭く天井の低い通路が続く。足元は照らされているので危険はないが、雰囲気はまさに冒険気分。胸が高鳴るのを感じながら一歩ずつ奥へ進んでいく。
奥まで進むと天井の高い開けた場所に出る。「死出の山」と呼ばれるエリアで、壁や天井がさまざまな色でライトアップされている。ライトは一定間隔で色が変化し、幻想的な世界観も相まっていつまでも眺めていたくなる。

鍾乳洞と言えば独特な形をした岩、鍾乳石や石筍(せきじゅん)を思い浮かべる人もいるだろう。石灰岩と地下水によって長い年月をかけて形作られた地形も見どころだ。

鍾乳洞全体を見学するのに所要時間は1時間ほど。たくさんの積まれた石の中に観音像が鎮座する「縁結び観音」や、滴る水の音が反響して音色を奏でる「水琴窟(すいきんくつ)」など、見ごたえのあるスポットがいくつもあるので、最後まで飽きずに楽しむことができるだろう。