アウトドアでも暑さに関する対策が必須になる時期になった。筆者もハンディファンや扇子、冷感タオル、通気性のよい帽子に涼感を得られるハッカなど、あれこれ試し夏山装備を更新してきた。しかし、涼感を得られるアイテムやアイデアを駆使しても暑さから解放されなかった場所、それが背中だ。
背中にぴったりとフィットしたバックパックの背面は、重たい荷物を背負って山道を歩いても抜群の追従性で快適な登山を助けてくれる。しかし、そのフィット感がアダとなり、夏山でバックパックを下ろすと背中はびっしょり……。
そんな夏山登山でうんざりする背中の蒸れを解消するアイテムが、mont-bell(以下、モンベル)の「V.B.P.バックパネル」と、アライテントの「さわやかパッド」だ。
今回の記事ではバックパックに追加できる夏山を快適にするアイテム2種を実際に使って感じた快適さ、そして気になった点をレポートする。
■「V.B.P.バックパネル」を装着して、手持ちのバックパックが背面メッシュモデルに大変身!

バックパックの背面に取り付け、暑さを緩和させるアイテムといえば、のちほど紹介するさわやかパッドのようなものが主流だった。そういった意味では後付けできる背面パットとして、V.B.P.バックパネルは革新的なアイテムと言える。
20〜30Lのバックパックに装着可能なV.B.P.バックパネルは、しっかりとしたフレーム構造で背中とバックパックの間に空間を生み出し、背中と密着する部分には通気性に優れたメッシュが採用されている。このメッシュが弛んだ場合には簡単に張りを調整できるのもうれしい点だ。

夏山登山向けの背面メッシュモデルのバックパックのように、背中とバックパックの間を風が通り、密着した状態とは比べ物にならない快適さが得られる。手持ちのバックパックが、背面メッシュモデルの夏山用バックパックへ早変わりだ。

装着は付属しているベルトをバックルで固定して長さを調節するだけという簡単さ! しっかりしたフレームのあるV.B.P.バックパネルをフレームがない軽量バックパックに装着すると、背負い心地がよくなる点も個人的にはメリットだと感じた。
●V.B.P.バックパネルも完全無欠ではなかった

涼感を得るのにはすばらしいV.B.P.バックパネルだが、背負った感触には気になった点もある。フレームを用いて背中とバックパックの間に空間を作るのがV.B.P.バックパネルの特徴だが、これによって荷物と背中が離れ、重心が体の後ろ側へ寄ってしまう。
大きく体を振られてバランスを崩してしまうほど極端ではないが、慣れるまで気になり、荷物が重たくなるほど顕著になる印象だ。
また、筆者愛用の30Lサイズのバックパックをいつも通りにフィッティングすると、パネルのフレームが肩甲骨の辺りに干渉した。中型のバックパックへ装着する際はパネルとの相性の確認も必要だ。可能であれば購入前に装着して背負ってみることをおすすめしたい。