アウトドアブランドの「コロンビア」は2024年11月、札幌市と包括連携協定を締結した。コロンビアのアウトドアの知見と札幌市内および近郊の自然を生かし、地域の活性化を狙いつつ持続可能な世界都市を目指すものだ。

 連携協定の取り組みとして企画されたアウトドアプログラムが「Columbia OUTDOOR ACADEMY for Beginners 2025」。主にアウトドア初心者を対象に、アウトドアアクティビティへの一歩を踏み出すためのきっかけづくりや自然の魅力を伝えていく。

 2025年6月には札幌市庁舎で開校式(机上講習)が実施され、7月13日には札幌から車で2時間ほどのニセコアンヌプリを舞台とする登山バスツアーが実施された。標高1,308mの頂を目指し、当日は11名の参加者が全員無事に登頂を果たした。ここでは当日の様子を写真を交えながらレポートする。

山頂で撮影されたツアー参加者の集合写真

■圧巻の羊蹄山と北海道らしい広大な大地を眺望しながらの絶景登山

 「Columbia OUTDOOR ACADEMY for Beginners 2025」のプログラムは、2回の机上講習を含む全5回。フィールドでのプログラムの3回(7月・9月・10月)は、すべて札幌駅の北口を発着とする日帰りのバスツアーとなっている。

 バスツアーでは自家用車を所持していなかったり、長時間の運転に不安がある登山初心者にとっては手軽に登山を楽しむことができるだけでなく、行程には入浴も含まれており、汗を流してさっぱりした状態で帰宅することができる。入浴に必要な道具はバスに置いて登山を開始することできる点もうれしい。昼食や行動食、飲料は各自持参。

同ツアーは「アウトドアアカデミー」ということもあり、往復のバスの車内で登山に関わるレクチャーも行われる(りんゆう観光の植田拓史氏)

 今回のツアーで舞台となったニセコアンヌプリは、北海道の後志地方に位置する火山で、ニセコ連峰の主峰だ。西側にはイワオヌプリやチセヌプリ、ニトヌプリなどの山々が連なり、北側には岩内郡共和町に位置するワイスホルンがある。

 札幌駅北口のバスターミナル乗り場を7時30分に出発。車内ではツアー・ガイドを務めるりんゆう観光の植田拓史氏から、ツアーに関する概要やニセコアンヌプリの特徴といった説明を受けながら現地へ向かった。

ニセコアンヌプリに向かう車内の様子

 加えて、車内では昨今ニュースでも取り上げられているヒグマ対策について、いかにして出逢わないようにするかや、万が一出合ってしまった場合の対応策のほか、クマ鈴やクマスプレーなどの対策グッズの使い方に関する説明もあった。

ウィンターシーズンはスキー場として運営されているニセコアンヌプリは、グリーンシーズンも7月中旬〜10月中旬のみゴンドラが稼働している

 1時間ほど経ったところでトイレ休憩があり、それから1時間ほどでニセコアンヌプリに到着。今回はゴンドラを利用して、標高1,000m地点から登山を開始した。ゴンドラの乗車料金もツアーに含まれる。

当日は運良くゴンドラからも羊蹄山が眺望できた
 ゴンドラ山頂駅に到着後は、展望広場へ移動。登山に備える参加者の様子

 初心者を対象にしたツアーということもあり、登山を開始する前に植田氏から登山靴の履き方や、歩き方のコツに関するレクチャーがあった。登山靴は紐をきつく縛り過ぎず、定期的に紐がほどけていたり、緩んでいないかを確認する。登りではやや前屈みで重心を意識しつつ、岩場では焦らず一歩一歩確実に歩き進めるなど、実際のフィールドでのアドバイスに参加者は耳を傾けていた。

準備体操をする参加者。気候に合わせたレイヤリングが重要だ
準備が整い、登山を開始。頂上までの登山道は、一本道となっているため、初心者でも比較的登りやすい
山頂まで残り800m付近で休憩を取る参加者

 笹薮に囲まれた道が続いており、時折立ち止まって振り返ると羊蹄山を眺望できた。こまめに水分補給をしながら、ひたすら一本道を歩き進んでいく。

 一部倒木があり、跨いだりくぐり抜けなければならない場面もあったが、先頭から最後尾まで「頭上の枝に気をつけるように」といった声掛けが伝達されていた。

 登頂開始からおよそ1時間で山頂に到着。スタート地点から標高差300mの道のりだった。

山頂に到着し、達成感で両手を広げる参加者
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