■花の季節も到来! 残雪と登山道状況について

白馬乗鞍岳までの登山道状況について。先日予定していた登山道整備は、大雨で延期となっています(6月29、30日に延期)。
久しぶりに大雪となった冬でしたが、このところ何回かあったまとまった雨、そしてその後の高温で雪解けは一気に進んでいます。ミズバショウやキンポウゲ、チングルマなど、次々と高山植物が花を咲かせていました。砂礫の上にはコマクサが葉を広げているのをいくつか見つけ、すでに可憐な花を付けているものもありました!


気になる残雪の具合は、ビジターセンター横の登山口からいきなり積雪があるのでビックリするかもしれませんが、しばらく進むと雪は消えます。ときおりわずかに雪が残っている場所や小さな雪渓を横断する必要はありますが、天狗原(てんぐっぱら)や白馬乗鞍岳山頂部などはすでに夏道が出ていて問題ありません。
ただし、雪渓で夏道が途切れた後は迷いやすいことも多いです。目印のピンクテープを新しく付け直してありますので、慎重にルートに戻ってください。また夏道との境目は雪が薄くなっており、踏み抜く可能性が高いので、丁寧に足を運ぶ必要があります。

一番の難所は白馬乗鞍岳の東斜面の大雪渓です。とくに後半に差し掛かると傾斜も強く、こと下りに関してはかなりの急斜面です。雪面が硬いときはもちろん、緩んでシャバシャバになった雪も滑り出すと止まりません。登山道整備に先立って、例年どおりロープを垂らしておきましたが、これはあくまでも(視界不良時に)道迷いしないようにする目印です。ロープに捕まっての行動は落石等の起因となり、他人を巻き込む重大事故を引き起こしかねないので絶対に避けてください。
ピッケル、アイゼンの装備は当然ですが、十分に使いこなせる人向けです。慣れていればアイゼンなしでも登下降できますが、それは相当技量がある人です。一般的には軽アイゼンやチェーンスパイクは論外ですので、つま先から踵までしっかりとした爪のあるアイゼンを装着することを強く勧めます。昨年は雪が早く消えましたが、(今後の天候次第ですが)今年は8月に入るまでは登山道上に雪が残っていそうです。
白馬大池は流氷のような氷の塊を浮かべ、青白く神秘的な表情を見せていました。一帯にはライチョウや花々以外にも多くの命が息づいています。ぜひ、季節の移ろいを感じる山歩きを楽しんできてください。
