■長峰山の山頂に到着

明科駅を出発し、約1時間半ほどで長峰山山頂に到着。山頂はたくさんの人で賑わっていた。展望が開けており、安曇野の町と北アルプスの山並みを一望できる。雄大な景色を楽しみながら、大きく広がる芝生で休憩するのもよいだろう。山頂にはトイレもあるので安心だ。
1970年には、日本の有名芸術家3人がこの長峰山を一同に訪れている。作家の「川端康成」と「井上靖」、画家の「東山魁夷」だ。3人は「残したい静けさ 美しさ」という言葉を残したといわれている。街並みは当時と変わってしまったかもしれないが、ここから眺める山々はきっと当時の姿を残しているはずだ。
■北アルプスを横目に光城山へプチ縦走

長峰山から光城山までは、約1時間の道のりだ。こちらもよく整備されているので歩きやすい。途中車道と登山道が交差する場面が何度かあるので、標識を確認しながら進もう。光城山の山頂にもトイレが設置されている。
光城山はその名前の通り、鎌倉時代に光城(ひかるじょう)という城が築かれていた。この城は川中島の合戦の際に落とされたと伝わっており、現在その痕跡は感じられない。とはいえ、安曇野を一望できる一等地に城を構えるとは、なかなかの贅沢だ。
光城山は桜の名所としても有名だ。麓から山頂までの登山道に沿って植えられた桜が山を駆け上がるように咲く様子から「登り龍」と呼ばれ地元民に親しまれている。


■下山後は松本名物「山賊焼」を食べよう

光城山から登山口までは約1時間。この日は朝8時から歩き続けていたので、下山は12時頃だった。下山後の昼食におすすめなのが、光城山登山口から徒歩15分のところにある「御食事処 穂の香」だ。ここは一人前ずつ炊き上げる「羽釜ご飯」が有名な人気定食屋だ。
お刺身メインの「穂の香定食」のほか、「煮カツ定食」に「生姜焼き定食」、日替わりの「各種魚定食」など種類も豊富だ。
なかでもおすすめなのが、松本名物「山賊焼定食」だ。山賊焼とは中信地方のご当地グルメで、ニンニク醤油につけこんだ鶏肉を一枚丸ごと揚げた豪快な唐揚げだ。「穂の香」の山賊焼はバリッとした衣と、噛むほどジューシーな鶏肉がたまらない。羽釜で炊いたつやつやふっくらご飯とマッチし、なんとも幸せだ。

■「田沢駅」から電車に乗って松本駅へ

昼食で満足したあとは、ゆっくりと田沢駅(たざわえき)まで歩こう。「穂の香」から駅までは、約25分の道のりだ。周辺にはコンビニもあるので飲料水なども調達可能だ。
■北アルプスに想いを馳せながら低山で身体慣らし
今回は、長野県安曇野市の里山「長峰山」と「光城山」を繋ぐ縦走コースを紹介した。低山でありながら北アルプスが一望できる展望と、電車で行けるアクセスのよさが魅力だ。本格的な夏山シーズンに向けての身体慣らしや、北アルプスを眺めながら想いを馳せてみてはいかがだろうか。
里山とはいえ登山であることには変わりない。周辺では熊の目撃情報もあるので、熊鈴などの対策も必要だ。装備をしっかり準備したうえで楽しもう。
【長峰山から光城山縦走コース】所要時間
明科駅(0:00)→長峰山登山口(0:15)→長峰山(1:35)→光城山(2:45)→
光城山登山口(3:45)→御食事処 穂の香(4:00)→田沢駅(4:25)
歩行距離:約9.4km
累計標高差:登り593m、下り562m
合計所要時間:4時間25分