■オリンピック道路沿いに位置する「道の駅 中条」

西山地区には、長野冬季オリンピックの開催時に整備された「オリンピック道路」として知られる道路が通っている。長野市中心部から白馬エリアを結ぶ観光路であり、有料での利用だったが、開通30年を経て料金徴収期間が終わり、2025年2月から無料で通行できるようになっている。このオリンピック道路沿いに位置するのが「道の駅 中条」だ。
この地域の郷土料理や特産物をより魅力的に感じられるような商品として開発しているため、売られている商品がしゃれていて洗礼されたものが多い印象だ。

中条エリアの名物は「おぶっこ」。コシのある平打ち麺の太麺を、大根やにんじんなどの根菜やきのことともに煮込んで信州みそで味付けた郷土料理だ。たっぷりの具材を“ぶっこむ”ことからその名が付いたといわれている。また、山に囲まれ傾斜地が多い西山地区は米の代わりに小麦が育てられ、そうした土地で生まれた粉ものの食文化ともいえるだろう。
「道の駅 中条」ではおぶっこの冷凍麺や、スープも付いた生麺などが売られており、地元の郷土料理を自宅で楽しむことができる。


■ジビエや特産物の加工品も充実

道の駅にはほかにも、鹿肉を加工した「山駆けるGIBIER(ジビエ)」という興味をそそるオリジナル商品がある。隣接する「長野市ジビエ加工センター」で捕獲されたニホンジカを加工し、保存料等は使わず自然のうまみを大切にして開発されたこだわりの品だ。サラミやソーセージ、ジャーキーなどシリーズ化したさまざまな品が揃った、ここでしか手に入らないお土産はぜひゲットしていきたい。
また、中条産の梅を使った「煎り酒」もここのおすすめ品。出汁のうまみに梅の爽やかな香りが加わり、出汁巻きたまごや焼き魚などさまざまな料理に使える万能調味料だ。


■買い物が楽しい直売所コーナー

直売所コーナーでは、地元の旬の野菜や果物が充実。春は山菜や淡竹(はちく)、夏は川中島白桃やシャインマスカット、とうもろこし、そして秋はりんごやきのこなど季節ごとの味覚を並ぶ。中条ならではの野菜も取り揃え、訪れるたびに何があるのか楽しみになる。
また、西山地区の特産品である西山大豆やくらかけ豆など豆類も豊富に取り揃えている。


■食事処で「おぶっこ」を実食!

「食事処 まめったい」の人気メニューは、やっぱり地元名物の「おぶっこ」。実際に料理を目にすると、大きめのどんぶり一杯に麺と具が入っていてとてもボリューミーだ。カボチャやにんじん、きゃべつなどの野菜のほか、豚肉、油揚げ、ちくわ、きのこなどとにかく具がたっぷり。
平打ちの太麺は2cmほどの幅。厚みもあって食べ応えがあり、みそベースの汁の味が染み込んでいる。添えられている辛味噌は汁に溶かすとピリッとした辛さが加わって“味変”にぴったり。


また、隣接の長野市ジビエ加工センターから仕入れたジビエを使用した料理もあり、そのひとつが「鹿肉ハンバーガー」。新鮮なジビエの合い挽き肉を使ったパテは厚みがあってボリューム満点だ。
「道の駅 信州新町」と「道の駅 中条」は同じ西山地区にある道の駅だが、地域ならではの食文化が根付いている。そんなソウルフードが生まれた背景をちょっとでも知っておくと、名物のおいしさがアップするよいスパイスになるだろう。