アメリカ、カリフォルニアで生まれた「OSPREY(オスプレー)」。創業から50年を超えるバックパック専門ブランドは、縦走用の大型パックから、日帰り登山、ハイキングなどに使いやすい中型、小型のパックまで幅広くラインナップ。ブランドモチーフとなる「みさご(オスプレー)」のロゴは山に出かければ、必ず目にするといっていいほどに愛用者が多い。

 そのオスプレーから、なにやら気になるアイテムが登場した。登山に限らず、アウトドアシーンでの写真撮影を趣味とする方には見逃せないフォトアクセサリーは、これまでの不安やストレスを解消し、シャッターチャンスの可能性を広げてくれそうな予感。

■“スマホもいいけど、やっぱり写真にはこだわりたい派”におくる待望のカメラケース

自然の風景はシャッターチャンスの宝庫

 Photo: Sam Rouda

  近年はスマートフォンに搭載されるカメラ機能の進歩が目覚ましく、スマホひとつでプロ顔向けの写真を撮影することもできるが、登山での写真撮影に一眼カメラを持っていくという層が意外にも多いらしい。

 これはミラーレスカメラが主流となり、小型化、軽量化やラインナップの拡充、扱いやすさといったところからアウトドアにおいても多くの層を獲得していることが、要因のひとつとなっているのではないだろうか。

バックパック専門ブランドとして日本でも人気のオスプレー 

Photo: Dan Horz

  また、レンズの組み合わせなど、スマホのカメラではどうしても撮ることができないシーンもしっかりと収めることができ、景色、風景の撮影を楽しみに山へと出かける人も多いということもあるだろう。

 それでも問題となるのは、やはり収納。登山をするうえで欠かせないギアに加えて、カメラをバックパックに収納するだけでもスペースと重量は増す。なにより、撮影のたびにバックパックを下ろしてカメラを出し、またしまうという作業は、登山中においては煩わしさもある。

 今回、発売されたフォトアクセサリーは、登山における安全性、カメラのプロテクションはもちろん、撮影における利便性といったところまでも一気に解決してくれそうなラインナップとなっている。

■構想は1990年代から  ついに商品化となったフォトアクセサリー

 今回、発売されたフォトアクセサリー類。その構想自体は1990年代からあったという。もっと山で使いやすいカメラバッグが欲しいというフォトグラファーたちのリクエストに応える形で開発はスタート。やはり一眼カメラが大幅に進化し、山に持っていくハードルが下がったというのが商品化への大きな後押しとなったという。

●フィット感も抜群のチェストリグはアウトドアでの写真撮影のスタンダードに!?

ベストのように着用する「カメラチェストリグ」

  今回、発売されたフォトアクセサリーの中でまず、注目したいのが「カメラチェストリグ」。身体の前面、胸部あたりがカメラ収納スペースとなり、ベストのように着用するカメラバッグ。

 最近はバックパックのショルダーストラップにカメラを取り付けるアタッチメントを使用している方も山中では見かけるが、利便性といったところでは優れているものの、左右の荷重バランスといったところでは不安定さもあり、なによりカメラをむき出しの状態で登山をするということに心配な面もある。

収納スペースの前面から伸びるサイドストラップがフィット感を高める

 このカメラチェストリグは、ストラップが調節可能でしっかりと体にフィットさせることができる。さらにサイドのストラップはカメラの収納スペースの前面から伸びており、バッグ全体を包み込むようにフィットさせることが可能なため、不安定な箇所を歩く際にもぶれることがない。

 また、バックパックと荷重を分散させながら、体の中心部でしっかりと抱えることができるので、安定感を感じることができる。なによりも撮りたい景色などに出会ったとき、バックパックを下ろしてカメラを取り出すという煩わしさも解消され、すぐにカメラを取り出すことができるのが最大のメリット。

カメラを取り出しやすく、落下防止の役割も果たす

 フロントパネルはしっかりとしたパッドが入り、岩などにこすったり、ぶつけてもカメラはしっかりと守られる安心のプロテクション機能。ファスナーは半分程度開けるだけで、カメラを取り出すことができるので、レンズカバーなど山中での落下を防いでくれる。

 サイドポケットも2つ。レインカバーも標準装備。バックパックのショルダーストラップに取り付けることができる付属のアタッチメントもあり、様々な山行、撮影スタイルにも対応してくれる。

付属のアタッチメントを使えばバックパックに取り付けることもできる

「カメラチェストリグ」
価格:15,730円(税込)
サイズ:外寸28×23×12cm(縦×横×奥行)
重量:460g

●雨蓋に、ウェストバッグに可変式のフォトリッドは大型パックとの相性抜群

雨蓋部分をカメラスペースに! オスプレーの大型パックとの相性は抜群

  チェストリグとはまた別のアプローチで登場したカメラバッグが「フォトリッド」。その使い方のバリエーションはチェストリグ以上といったところ。

 取り外しが可能な雨蓋の代わりに取り付けるカメラバッグは、オスプレー50L以上のバックパックに最適な設計となっている。収納スペースはチェストリグよりも大きく、交換レンズやアクセサリー類も収納可能。もちろん、内部の仕切りは調整可能となっており、広角にズームなど、シーンや対象をさらにこだわった1枚を可能にしてくれそうだ。

交換レンズ、予備バッテリーなども入る大容量スペース

  オスプレー以外の雨蓋が取り外し可能なバックパックにも取り付けできるように交換用のバックルが付属されるが、どうしても取り付けできないモデルもあることだろう。他ブランドのバックパックを使用されている方はショップなどで、事前にしっかりとチェックすることをおすすめしたい。

バックパックから取り外し、ウェストバッグとしても使える

  このフォトリッドは、雨蓋部分に取り付ける以外にも内側に収納されたベルトを使うことでウェストバッグとしても活用できる。例えば、小屋泊まりやテント泊などから山頂へアタックする際に、アタックザック+フォトリッドという組み合わせでカメラを安心して持っていくということも可能となる。

 チェストリグと同様に高いプロテクション機能、そしてカメラを取り出すときもファスナーは全開にしなくてもカメラを取り出すことが可能なため、岩場や稜線上などでうっかりレンズを落としてしまうなんてこと防いでくれる。

「フォトリッド」
価格:19,800円(税込)
サイズ:外寸26×31×14.5cm(縦×横×奥行)
重量:690g

●バックパックをカメラバッグに  サイズも2種類のカメラキューブも見逃せない

アウトドアバックパックにしっかりとカメラ、レンズもしっかりと収納できる

  チェストリグやフォトリッドのような外付けではなく、バックパック内にしっかりとカメラを収納することができるのが「カメラキューブ」。サイズ展開もSとMの2種類と、バックパックの容量や撮影スタイルなど、その選択肢は広い。

 Sサイズは18L以上、Mサイズは26L以上のオスプレーバックパックにフィットするというが、フォトリッド以上に他ブランドのバックパックとの相性は良さそうだ。

 収納スペースはフルオープンで開くことができるので、スノーパックなどの背面アクセスのできるバックパックとの組み合わせは、その能力をいかんなく発揮することになるだろう。

左はSサイズ。右がMサイズ。バックパックの容量によって選べるサイズ展開

「カメラキューブS」
価格:12,430円(税込)
容量:6リットル
サイズ:外寸25×25×15cm(縦×横×奥行)
重量:360g

「カメラキューブM」
価格:15,730円(税込)
容量:11リットル
サイズ:外寸40×28×17cm(縦×横×奥行)
重量:580g

 いずれもアウトドア用のパックとしての安全性、カメラバッグとしてのプロテクション機能、そして撮影に際しての使い勝手と3拍子揃ったフォトアクセサリー。オスプレーというアウトドアバックパック専門メーカーだからこそ可能にしたと言っても過言ではないだろう。このフォトアクセサリーをきっかけにバックパックをオスプレーに替えるなんてユーザーもいるかもしれない。そう思わせるほどに魅力的なアイテムが満を持して登場した。

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