■ヒントにしたのは、ハワイのポキ丼

ツナ缶と海苔ふりかけを混ぜた様子

 かくのごとし。海苔ふりかけが混ざったツナという、タネも仕掛けもない料理ではあるけど、これがおいしいのだ。

 ツナ缶は基本的に塩味しか付いていないので、その味はややそっけない。そこに海苔ふりかけの海苔やらカツオ節、白ゴマなどの風味が加わると、一気ににぎやかで楽しい味になる。ちょっとスナック菓子のような味でもあり、小腹が空いたときなど、ササッと食べるのにちょうどいい。

 じつはこのアレンジは、ハワイで食べた「ポキ丼」をヒントにしている。ポキ丼はマグロなどの生の切り身をしょう油&ゴマ油などで味付けし、ごはんにのせる食べ物だが、ぼくが食べた店では、最後の仕上げに海苔ふりかけをたっぷり掛けていた。それがとてもいいアイデアだと思ったのだ。

■しょう油もゴマ油もいらない

アボカドを加えれば、よりポキ丼らしくなる

 ということで、同じ料理をごはんの上にのせれば「ポキ丼・ツナ缶バージョン」に変身する。そのまま食べてもちゃんとおいしいけど、よりポキ丼らしさを出すためにアボカドを加えるのも一興であります。

 作る前には、仕上げ段階でゴマ油としょう油を掛けようと考えていた。しかし出来たものを食べてみると、どちらも不要なのがわかった。油はツナ缶に入っていた油(綿実油やオリーブ油など)で満足できたし、しょう油は実際に掛けてみたら、味がしょっぱくなってしまった。もし掛けるのであれば、ごくごくわずかな量だけでいいだろう。

 ツナ缶はさまざまな料理に使われている一方で、料理がワンパターン化してしまう傾向もあるようだ。冒頭で触れたマツコさんのセリフにも「味が足りない分はツナ缶でごまかしちゃえ」という、なんでもツナ缶に頼ってしまうことへの苦言だった。

 ツナはたいがいの食べ物と合う。イタリアでは薄切り牛肉にツナのペーストを掛ける料理があるくらいだから(ロンバルディア地方のVitello Tonnato / ヴィテッロ・トンナート)。みなさんもいろいろな組み合わせを試してほしい。

 

●今回の缶詰情報

伊藤食品「あいこちゃん・金のまぐろ油漬 70g」