■強風時に役立つお助けギア
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風の動きに合わせて伸び縮みが自由なストレッチフックはガイロープの代わりとしても使え、突風などで急に加わる負荷を張力でカバーしてくれるストレッチコードは、使用効果が絶大だ。また、オイルランタン、石油ストーブやガスコンロなども強風だと危険が伴うため、暖を取るための手段としてバッテリー電源と電気毛布があるとよい。
ほかにもテント補強のために予備のガイロープを1巻多めに持って行こう。ペグも倍の数が必要になる場合もある。多方向からのテンションに強い丸芯の鍛造ペグがおすすめだ。
■強風時の避難
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強風がひどくなったらテントの撤収に入りたいが、非常に危険である。撤収中に強風によりテントやモノが飛び、周辺サイトに迷惑をかけている様子はよく目にするが、このような場合は以下の手順で速やかに避難しよう(ワンポールテントの場合)。
(1)荷物をビニール袋などにひとまとめにし、車の中や風の影響を受けにくい場所へ移す。
(2)風でテントが飛ばされないようにペグを打ったままテントのポールを落とす。
(3)テントの上に荷物や石、薪の束、水の入ったポリタンクなど重いものを置き、テントが飛ぶのを防ぐ。車やバイクの駐車位置を変え、利用してもよい。
(4) 車がある場合は車中に避難する。それ以外の場合はトイレや食事棟、ロッジやバンガローなどの屋根付き施設の中や建物の裏側に避難する。
■強風に遭遇したときのシュミレーションを忘れずに!
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強風注意報は冬から春にかけてもっとも注意するべきだ。建物内での生活に慣れている現代人は、この「風」による危険性を見落としがちだ。どんなに立派なテントでも強風の危険にさらされたときには、破損の可能性があり、瞬時の対応が必要になる。そのため、日頃からキャンプ中に強風注意報に遭遇したときのシュミレーションを行い、いざ遭遇したときに、速やかに行動をとっていきたいものだ。
場合によっては、キャンプそのものをあきらめ、テント設営も見送り、車中泊やバンガロー泊に変更することも想定しておくなど、安全に過ごす選択ができるよう心掛けたいものである。