麓がようやく涼しくなってきたと思えば、山では冬が訪れる。雪山になる前に登る山を探している人にぜひおすすめしたい山がある。標高は2,000mに満たない山だが、森林限界を超えた稜線を歩き、開放感あふれる景色を望みながらの山歩きができる場所だ。

■平標山(たいらっぴょうやま・標高1,984m)

仙ノ倉山側からみた平標山

 紹介する平標山は、群馬県と新潟県の境にある標高1,984mの山だ。谷川連峰の西側に属し、人気の山域でもあるため、多くの登山者で賑わう。

 山頂へは四方から登ることができ、バリエーションも多いが、今回は平標山登山口駐車場から平標山の家を経由して登頂、松手山コースで下山する周回コースを紹介したい。

 登山道はよく整備されており歩きやすく、初心者でも比較的登りやすいが、行動時間は6時間を超えるため、余裕をもって行動したい。

■平標山登山口駐車場から平標山の家へ!  たどり着いた先の絶景

 起点となる平標山登山口駐車場は、関越道・湯沢ICから約19kmのところにある。国道17号線を苗場スキー場へ向かうと大きな看板があるので分かりやすい。

 この界隈では人気の平標山。筆者が到着したのが6時前だったが、平日にも関わらず続々と登山者が訪れていた。

平標山登山口駐車場。平日でも多くの登山者が訪れていた

 平標山登山口駐車場から平標山へは2本の登山道がある。最短で登るなら松手山コースだが、今回は平元新道(へいげんしんどう)を使い、平標山の家を経由して山頂へと登るコースを紹介する。

 平標山登山口駐車場から平元新道の登山口へと向かう。起伏は緩やかで、ウォーミングアップにちょうどいい。渓流沿いを歩く場所もあるので、自然の豊かさを感じながら歩くことができた。

平元新道の登山口へとむかう途中。美しい渓流を眺めながら歩ける

 平元新道の登山口からは登山道となる。長い階段が続くが、一段一段が低く歩きやすかった。およそ1時間15分で平標山の家に到着する。

 これまで樹林帯だった登山道は一変、ご褒美の絶景が待っている。これから登る平標山や、その隣の仙ノ倉山(せんのくらやま)、浅間山や苗場山も確認することができる。平標山の家には水場があり、おいしい天然水を汲むことができた。

平標山の家からは絶景が望める

■森林限界を超えた絶景の稜線歩き

 平標山の家から平標山までは約55分。木道が整備されており、非常に歩きやすい。途中には休むことのできるベンチもあるので、ペースを落とし、景色を楽しみながらゆっくりと山頂を目指そう。

平標山への登り。振り返ると絶景が広がっている

 平標山の家からはずっと登りだが、景色を楽しみながら歩くことができるのでゆっくりと歩いても感覚的にあっという間に山頂へと到着してしまった。そう感じるほどすばらしい区間だった。