■スポット3. 日本三奇橋のひとつ「祖谷のかずら橋」

日本三奇橋のひとつ・祖谷のかずら橋

 「祖谷のかずら橋(以下、かずら橋 )」は祖谷川に架かる橋で、国の重要有形民俗文化財に指定されている。

 シラクチカズラという植物を編み込んでつくられたこの橋は、長さ約45m・幅約2m・水面からの高さ約14m。3年ごとに橋の架け替えが行われる。

 日本三奇橋にも数えられるこの橋は、平家の落人が追手から逃れるために、いつでも切り落とせるように植物でつくったといわれている。

橋床の隙間が広い、かずら橋

 筆者もおそるおそる橋を渡ってみた。足元を見ると、足場の板と板の間のスペースがかなり広く、大人でも踏み外せば、足がはまってしまいそうだった。

 橋床の隙間からは谷底の川が勢いよく流れているのが見える。慎重に歩を進めたが、内心恐怖でドキドキしていた。足元に集中していたおかげか、吊り橋の揺れはさほど気にならなかった。

慎重にかずら橋を渡る人たち

 他の橋を渡る人たちも、足元を確認しながらゆっくりと渡っていた。そのなかに小さな子どもがいるのを見て、橋から落ちないかと見ているこちらがヒヤヒヤしてしまった。

かずら橋を渡った場所にある、琵琶の滝

 かずら橋を渡り、歩いて50mほど行くと「琵琶の滝」が見られる。また隣の橋まで散策すれば、かずら橋全景を望む写真を撮影できる。

木々の間から見えるかずら橋全景

祖谷のかずら橋
住所 〒778-0102  徳島県三好市西祖谷山村善徳162-2
営業時間 4月~6月8:00~18:00、7月〜8月7:30~18:30、9月~3月8:00~17:00
料金 中学生以上550円、小学生350円、幼児・無料

【公式サイト】https://miyoshi-tourism.jp/spot/iyanokazurabashi/

●【画像】祖谷のかずら橋

■スポット4. 断崖絶壁の険しい道が続く「小便小僧/祖谷渓谷」

V字型の谷が広がる祖谷渓谷

 「祖谷渓谷」は祖谷川の両岸が切り立ち、断崖絶壁になっている。連なる山々と、手つかずの自然が広がっており、「ひの字渓谷」や「小便小僧」といった見どころがある。

 祖谷渓谷をめぐる道中は急カーブが続き、道幅が狭い山道をひたすら進む。道の片側は山の急斜面、反対側は崖。車窓からの景色を見るだけでスリル満点である。カーブが続くので、車酔いしやすい人は事前に酔い止めを飲んだほうがよいだろう。

曲がりくねった、ひの字渓谷(画像提供:三好市観光協会)

 ひの字渓谷は、蛇行する祖谷川がひらがなの「ひ」の字に見えることから名づけられた、ダイナミックな景観だ。

谷底から高さ200mの崖に立つ小便小僧

 祖谷川沿いの断崖には、祖谷街道の開設工事で残った岩が多数突き出ている。そのひとつ「小便岩」と呼ばれる大断崖に「小便小僧」が立つ。谷底からの高さは200mで、祖谷街道で一番の難所といわれる七曲(ななまがり)にある。

 小便小僧は、かつて地元の子ども達が小便岩のあたりで度胸試しをしたという逸話をもとにつくられたという。断崖絶壁に立つ小便小僧は、祖谷エリアのシンボル的な存在になっている。

小便小僧/祖谷渓谷
住所 〒778-0165  徳島県三好市池田町松尾

【公式サイト】 https://miyoshi-tourism.jp/spot/iyakei-peeingboy/

●【MAP】祖谷渓の小便小僧

■定期観光バスで、効率よく見所をめぐろう

 今回は、祖谷地方を定期観光バスで訪れ、4つのスポットを詳しく紹介した。

 見どころが点在する祖谷地方を効率よく1日でめぐれる定期観光バスは、車の運転が苦手な旅行者にとって、ありがたい存在だ。

 日本三大秘境のひとつ、祖谷。定期観光バスを利用して訪れてみてはいかがだろうか。

定期観光バス 大歩危・祖谷秘境の旅
運行 四国交通
電話 0883-72-1231(9:00〜17:30)
運賃 大人11,000円、小児10,500円

【公式サイト】https://yonkoh.co.jp/teikan#route

※参加当日、定期観光バスの訪問スケジュールが変更となったため、筆者が体験した訪問順に掲載しています。

※この記事の情報は2024年10月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。