長野県駒ヶ根市に位置する木曽駒ヶ岳(きそこまがだけ・標高2,956m)は、中央アルプスの最高峰で、高山帯の岩肌の真下に広がる千畳敷(せんじょうじき)カールが人気である。「カール」とは氷河の氷で削り取られたお椀型の地形のことであり、千畳敷カールは標高2,500mを超える位置にあるため、高山植物の宝庫としても知られている。

 そんな木曽駒ヶ岳は日本百名山の一つでもあり、日本一の高低差を誇る駒ヶ岳ロープウェイを使って、往復4時間で山頂を踏めるため、3,000m近い山としては登りやすい。今回は数年前の7月下旬にテント泊登山した際の様子と合わせて、木曽駒ヶ岳の登山コースとその魅力について紹介しよう。

【千畳敷駅から木曽駒ヶ岳(往復)】所要時間
・1日目
千畳敷駅(0:20分)→八丁坂(0:40)→乗鞍浄土(0:25)→中岳(0:30)→木曽駒ヶ岳山頂(0:15)→駒ヶ岳頂上山荘
歩行距離:約2.1km
累積標高差:登り372m、150m
合計所要時間:2時間10分
・2日目
駒ヶ岳頂上山荘(0:15)→中岳(0:20)→乗鞍浄土(0:30)→八丁坂(0:20)→千畳敷駅
歩行距離:約1.5km
累積標高差:登り57m、286m
合計所要時間:1時間25分

■日本一の高低差を誇るロープウェイに乗って、一気に標高2,612m地点へ

 木曽駒ヶ岳登山の玄関口である駒ヶ根ロープウェイ「しらび平駅」へは、中央自動車道・駒ヶ根ICから約4分の場所にある菅の台バスセンターへ車を停め、路線バスに乗り換えて30分ほどの場所にある。

菅の台バスセンターに車を停めて、ロープウェイ「しらび平駅」へ

 山麓駅のしらび平駅から駒ヶ岳ロープウェイに乗って一気に2,612m地点まで標高を稼ぐ。このロープウェイは高低差950mで日本一の高低差を誇り、7分30秒で一気に高所へ赴くことができるのだ。このロープウェイのおかげで、登山初心者でも高所登山に挑戦できるのがありがたい。

日本一の高低差を誇るロープウェイに乗って、一気に標高2,612m地点へ

 ロープウェイを降りると、そこには圧巻の千畳敷カールの景色が広がっている。一気に標高を上げられるが、高山病を防ぐためにここで景色を堪能し、30分から1時間ほど高所に体を慣らしてから登山に挑もう。

ロープウェイを降りると、千畳敷カールが出迎えてくれる