山中湖は、山梨県南都留郡(みなみつるぐん)にある湖で、「富士五湖」と呼ばれる富士山周辺の代表的な湖の1つだ。海抜980mの高地に位置し、その高さは日本で3番目。そのため、夏は涼しく過ごしやすく、東京からのアクセスもよいため、観光地として高い人気を誇っている。さらに、富士山との距離が近く、雄大な富士山を背景にした美しい景観が楽しめることでも有名だ。

 今回は、暑い日でも涼しく過ごせる山中湖の周辺から登る、筆者選りすぐりの絶景登山スポットを3つ紹介したい。湖畔から望む富士山とはひと味違う絶景を楽しんでほしい。

■山中湖周辺から1時間で登頂できる! 絶景登山スポット3選

雪解けが進み、空気の澄む晩冬。大平山からは南アルプスまで見渡すことができた

●おすすめ1 山中湖北岸「長池親水公園駐車場」から登る「大平山」

 レストランやカフェ、ボート乗り場など、山中湖の観光スポットで賑いを見せるのは主に南岸。それに比べ北側はホテルやキャンプ場があるものの、少し寂しい印象を受ける。しかし登山では、山中湖と富士山を真正面に望める北側こそがベストだ。

 「長池親水公園(ながいけしんすいこうえん)駐車場」は、山中湖畔の駐車場の中でも随一の景観で、撮影に夢中になっている外国人観光客の姿が多く見られる。確かに、湖越しに眺める雄大な富士山は一見の価値ありだ。しかし、満足するのはまだ早い。

 湖を右手に見ながら、道路沿いを10分ほど進むと、「大平山(おおひらやま)ハイキングコース」の看板が見える。登山道は歩きやすく、特に秋は黄金色に輝くススキの合間を縫って歩けるのでおすすめだ。約1時間ほどで広々とした山頂に。標高1,295mの山頂には、湖畔からも見える電波塔と東屋があり、複数のベンチが置かれているので、心ゆくまで絶景を堪能できる。

 筆者は季節を変えて4度登っている。大平山は手軽に登れるうえに、どの季節も飽きることのない絶景を見せてくれるお気に入りの場所の1つだ。

●【MAP】大平山

●おすすめ2 三国峠駐車場から登る「鉄砲木ノ頭」

鉄砲木ノ頭山頂には祠があり、眼下には山中湖が広がっている

 続いて紹介するのは、「鉄砲木ノ頭(てっぽうぎのあたま)」。スタート地点は、湖畔から車で10分程度の三国峠(みくにとうげ)駐車場だ。ちなみに、三国峠の手前に「パノラマ台(山中湖)」という景勝地があり、こちらからも鉄砲木ノ頭への登山は可能だが、現在(2024年8月12日時点)はデッキ拡張工事中。完了するまでは三国峠を目指してほしい。ちなみに湖畔から徒歩で三国峠までアクセスする場合、所要時間約45分の車道歩きとなる。

 三国峠の標高は1,171m。目指す山頂は1,291mなので、標高差は120mほど。峠からは30分ほどで登頂できてしまう手軽さだが、山頂で待つ景色は富士山と山中湖が仲良く並ぶ、紛れもない絶景だ。

 なお、鉄砲木ノ頭は別名「明神山(みょうじんやま)」と呼ばれ、山中湖西岸にある山中諏訪神社(やまなかすわじんじゃ)の奥宮にあたる。厳かな気持ちを忘れずに景色を楽しもう。

●【MAP】鉄砲木ノ頭

●おすすめ3 鳥居地峠から登る「忍草山西峰」