「棒ノ折山(ぼうのおれやま・標高969m)」は、東京都奥多摩と埼玉県奥武蔵の境にある山で、「棒ノ嶺(ぼうのれい・ぼうのみね)」と呼ばれることもある。

 東京都側から登るコースには、縦走と組み合わせた登りごたえのあるコースなどがあるが、今回は埼玉県側から沢沿いを登っていく「白谷沢コース」で登り、「滝ノ平尾根コース」で同じ場所へと下山するルートを紹介する。

 コース上で見られる、林・岩場・渓流・稜線とさまざまに変わる景色は飽きずに楽しめるだろう。

■木漏れ日と沢歩きが心地よい「白谷沢コース」

 「白谷沢コース」の登山口は、「有間(ありま)ダム」を通過した先にある。

 スタートとなる「さわらびの湯」バス停から、ダム方面に向かって約30分舗装路を登っていくと、橋を渡った先に登山口の案内板がある。登山口までは歩道がないので、車やバイクに注意して歩こう。

橋を渡った先に登山口がある
「白谷沢コース」登山口
登山口に入ってすぐに緑あふれる風景となる

 登山口からは、木漏れ日を感じる森の中を歩くことになる。約20分で登山道は沢沿いになり、水の流れる音が心地よい。

沢を渡る箇所は滑らないように慎重に進もう

 登山道は沢を渡っていく箇所が多く、濡れた石や岩に乗りながら渡るので慎重に進もう。また、大雨のあとは渡ることが困難となるので、ルートを変更するなど状況を見て判断しよう。

■涼しさを感じる景色の中を歩く

沢を登る箇所は滑らないように注意が必要である

 「白谷沢コース」は、登山口から約30分で現れるゴルジュがあることでも人気のルートである。両岸の岩壁がせばまった谷筋は、濡れた岩や苔で滑りやすい箇所があるので慎重に進もう。

 鎖場やロープも出てくるので、手袋を持参しておくと便利である。

水が流れる岩の間を登っていく
鎖場は手を使って慎重に登ろう

 沢沿いを過ぎると木製の階段が現れ、登った先の林道を渡るとベンチが置かれた広場がある。この先も急な階段がしばらく続くので、ひと休みしておこう。