■奥秩父の隠れ人気スポット「笠取山」

人気スポットへ裏口から入るルートを紹介します

 都内から日帰りで登れる、奥秩父の「笠取山」。百名山にも二百名山にも選ばれていませんが、多摩川、荒川、富士川の始まりの一滴が湧き出る分水嶺の山として、非常に人気を集めているハイキングスポットです。

 標高は1,953mと、真夏よりも今が登りやすい気候です。週末ともなれば混雑は必至の人気ルートですが、じつはメインルートではない方向からアプローチすると、驚くほど静かな山歩きを楽しむことができます。

■将監峠経由の裏口ルートから山頂へ

下草が濃くなる夏場は登山道を見失わないよう注意

 笠取山に登る一般的な選択肢は、山頂の南側に位置する「作場平」を起点にした往復5時間ほどのルート。ここから登れば登山道は歩きやすく、危険箇所も少ないため、登山初級者の方でも安心して楽しめます。

 対して、今回紹介するのは、作場平の東側にある「将監峠入口」を起点にした周回ルートです。ルートタイムはかなり長めになり、将監峠から笠取山までの稜線は少々ワイルドな登山道なので、レベルとしては中上級者向け。しかし、その分、山頂まではとても静かな山歩きが楽しめる極上のルートで、健脚な方なら日帰りで歩くことも可能です。

■豊かな水を存分に味わってみたい

豊富な湧水が最高に美味い山域です

 林道を詰めて将監小屋を通り過ぎれば、登りはここまで。あとは、笠取山までは静かで快適な笹原の稜線歩きが続きます。6月中であれば、年によってはシャクナゲやズミの花がギリギリ見られるかもしれません。

 また、とにかく水が豊かな山域なので、将監小屋や笠取山の南面にある水場などで、湧きたての水をたっぷりと味わってみてください。少し頑張って持ち帰り、コーヒーや水割りに使ってみると格別ですよ。