■カタクリの季節が終わっても、豊富な植物が楽しめる名低山

カタクリは花を咲かせるまでに7年もかかる

 最後にもう一つおすすめしたいのが、奥多摩三山の一つにも数えられる御前山。春を告げるカタクリの花の群生で知られる山。しかし、北斜面は「奥多摩都民の森」としてよく整備されていて、カタクリの花が咲き終わった今の時期も様々な植物を楽しみながら歩くことができる好ルートです。

写真は5月の新緑時期に撮影したもの

 ルート取り次第では、4時間ほどで山頂を往復することも可能。標高差はそこそこありますが、危険箇所も少なく、のんびりと植物を愛でながら歩くのにちょうどいいルートとなっています。

 また、ルート上には主要なポイントに番号を振った地図が数多く設置されていて、わかりやすのもありがたいところ。

足元の花々を見逃さないようにゆっくり歩こう

 山頂を往復するなら、公共交通機関を利用する場合も車の場合も、北斜面を登る栃寄からが入りやすい。無料の駐車場も完備されています。御前山だけでは歩き足りないという方は、奥多摩駅まで鋸尾根を下ったり、御岳山や大岳山、三頭山まで繋げる強者もいるそうです。

今の時期は樹上にも花が増えてくる

 とはいえ、初夏は足元よりも樹上の花が増えてくる季節。一生懸命下を向いて長く歩き続けるよりも、余裕を持ってあたりを見回しながらのんびり歩けるような計画を練ってみたい。そんな気にさせる山です。

山頂に設置されたカタクリの一生がよくわかる看板。勉強になります