■珍しい水草や苔に彩られたセルヴァ湖

 いくつもの絶景ポイントで休憩を挟みつつ、針葉樹の森と岩だらけの崖を通り抜けて、ようやく第1日目の中間地点であるセルヴァ湖に着いた。小さな湖は湿地帯の影響を受けているらしく、びっしりと湖面を覆った小さな真っ白な水草の花がキラキラと輝きを放っている。岩場には何種類もの珍しい形の苔が生え、岩だらけの何処か殺伐とした景色に彩りを添えている。

 座り心地の良さそうな岩を見つけて、ここでランチタイム。持参したパンとチーズ、サラミ、りんごをゆっくり味わいつつ、この素晴らしい空間を思う存分楽しむ。食後はちょっと昼寝をしていくか、と思った矢先、にわかに空が暗くなってきた。ついさっきまで青空が出ていたのに、これはちょっと雲行きが怪しくなってきた。目指す今夜の山小屋までは、まだまだ距離も標高差もある。天気が崩れると大変なので、慌てて荷物を片付け、歩き出すことにした。

標高約1,800m地点に位置するセルヴァ湖(Lago della Servaz)
周囲の湿地の影響を強く受けているという湖の周りには、珍しい苔や水草もたくさん
小さな真っ白な水草の花がまるで宝石のようにキラキラと湖面を輝かせている