■雪道を通って燕岳山頂へ

合戦小屋から少し進むと雪道に変わった

 合戦小屋から5分ほど進むと、雪道に変わる。ここから先はチェーンスパイクを装着して進んでいく。冬季の降雪が少なかったこともあり、登山道に残る雪は合戦小屋から燕山荘までの区間だけだった。

燕山荘は多くの登山者で賑わっていた
燕山荘から燕岳山頂まで続く稜線では絶景を楽しめる

 合戦小屋から1時間ほど歩いて、燕山荘に到着。木造の綺麗な建物で、外観の佇まいから人気の理由が伺える。AM10時前だったが、すでに多くの登山者で賑わっていた。

 燕山荘の正面に見える山が燕岳だ。ここから先は絶景の稜線歩きが楽しめる。燕山荘から山頂まで雪がないと山小屋の方から情報をもらい、チェーンスパイクを外して歩いた。

燕岳山頂手前からは表銀座が一望できる
北アルプスのアイドル的な存在の雷鳥と残雪の山肌

 山頂直下まで緩やかな傾斜が続くので、残雪の山々の景色を存分に楽しめるご褒美タイムだ。その道中、筆者は幸運にも雷鳥に出会うことができた。アルプスなどの高山帯にしか生息しない鳥で、その可愛らしい見た目からアイドル的な人気がある。

 燕山荘から「槍ヶ岳(やりがたけ・標高3,180m)」まで続く「表銀座(おもてぎんざ)」と呼ばれる縦走路を一望できる場所に出たら、山頂まではあと一息だ。

燕岳山頂で他の登山者に撮影してもらった筆者

 最後に少し標高を上げると、燕岳山頂に到着する。その後、山頂で景色をゆっくり堪能してから来た道を戻って下山した。下山時は気温が上がり、雪がゆるくなっていたため、踏み抜きやスリップに注意して慎重に歩いた。

■燕岳から残雪の美しい北アルプスを見よう

 残雪期の高山は美しい風景を楽しめる反面、雪が溶けてゆるくなっているため、転倒や雪崩等のリスクがあるので注意が必要。そうした中でも燕岳は難所が少なく、登山道が整備されているため、比較的リスクも少ない。

 とはいえ早朝の時間帯は氷点下まで気温が下がることもあるため、防寒対策を入念に準備しておこう。また、残雪の状況によっては12本爪のアイゼンやピッケルなど雪山装備が必要となってくる。そのため、登山アプリで他の山小屋のホームページや登山者のSNSなどから最新情報を入手して慎重に計画を立ててほしい。

 

〈登山ルート〉
燕岳登山口(05:00)→合戦小屋(08:00-08:30 ※休憩)→燕山荘(09:30)→燕岳山頂(10:00-10:30 ※休憩)→燕山荘(11:00-12:00 ※休憩)→合戦小屋(13:00)→燕岳登山口(16:00)

●【MAP】燕岳登山口

【燕山荘】https://www.enzanso.co.jp