■東京都の最高峰「雲取山」 1泊で行くチャレンジコース

雲取山の山頂標識。晴れていれば富士山を望むことができる(撮影:山歩ヨウスケ)

 東京都の最高峰「雲取山(くもとりやま)」。標高は2,017mで、東京都最高峰ではあるが、東京都、埼玉県、山梨県にまたがる山で、日本百名山、多摩百山に選ばれているほか、山梨百名山や埼玉の山50にも名を連ねている。

 東京都内だけあって、都心から登山口への距離は近いが、高速道路を降りてから峠道を長く走るため、アプローチにかかる時間には余裕を持っておきたい。雲取山山頂まではどこの登山口から登っても距離が長く、奥多摩湖に近い鴨沢バス停から七ツ石山を経由して登っても6時間以上かかり、日帰りで登るにはかなりの体力を要する。

 1泊で行くのが時間的にも体力的にも現実的なプランになる。宿泊地の候補は2か所、山頂近くにある「雲取山荘」か、雲取山への道中にある「三条の湯」だ。

 せっかく行くのであれば三条の湯で泊まり、温泉を楽しみながら山頂を目指すコースを紹介したい。

 アプローチは「お祭」のバス停から後山川沿いに並走する林道を利用し、山小屋「三条の湯」へと向かう。

山小屋・三条の湯。小屋での宿泊からテント場もある(小屋泊もテントも要予約)撮影:山歩ヨウスケ

 三条の湯から雲取山山頂までは2時間40分で、下山は2時間ほど。三条の湯での宿泊の場合、1日目に雲取山山頂を目指すとなると、行動時間はトータルで7時間10分。休憩時間なども入れると、早朝に出発するのがマストとなる。

 マイカーでアクセスするのであれば片倉橋のゲートまで乗り入れができ、行動時間を1時間ほど短縮できる(片倉橋から三条の湯まではおよそ2時間30分)

 雲取山へ登頂し、宿泊地の三条の湯まで戻ってきたら、待っているのは極上の温泉だ。ゆっくりと疲れた体を癒すことができる。

3人が入れるほどの浴槽。肩まで入ってゆっくりと体を温めたい(撮影:山歩ヨウスケ)

 初日に雲取山へと登った場合、2日目は下山するだけなので三条の湯を出発するのはゆっくりでも大丈夫だが、早朝に出発すれば下山後に観光を楽しんだりすることも可能だ。

 なかなかハードではあるが、東京都の最高峰に立てたという達成感と、温泉での癒し効果から満足度の高い山行になるはずだ。

〈登山ルート〉
片倉ゲート⇒(2時間30分)⇒三条の湯⇒(2時間40分)⇒雲取山⇒(2時間)⇒三条の湯
三条の湯⇒(2時間)⇒片倉ゲート

〈アクセス〉
東名自動車道・秦野中井ICから県道70号線経由で34分(16.9km)

⚫︎【MAP】三条の湯 山梨県北都留郡丹波山村

■GWは近場の百名山へ出かけよう

雲取山山頂からの稜線。奥多摩湖へと続く(撮影:山歩ヨウスケ)

 世界的なパンデミックも落ち着いてきたことから旅行に行く人も少なくないだろう。遠出もいいが、近場で登山を楽しむのも悪くない。ゴールデンウィークは新緑の山を楽しみにアクセスしやすい山へと出かけてみてはどうだろうか。 紹介したルートはいずれも歩行距離が長く、行動時間も長くなる。事前に足慣らしをし、体力を戻してから出かけてほしい。

 紹介した山は例年ゴールデンウィークには雪が残らないが、天候やコンディションを調べたうえで出かけてほしい。