■山でできる応急処置は?

 運よく処置グッズが手に入ることは少ないだろうし、天気の崩れや、登山道には岩場も多いことを考えると、結束バンドだけではやや心もとない。結束バンド以外で応急処置に使えるグッズに、キネシオロジーテープ、ダクトテープがある。聞き慣れないかもしれないが、キネシオロジーテープは伸縮性のあるテーピング用のテープだ。商品によっては撥水性もある。ダクトテープは粘着力が高く防水性があるテープだ。

応急処置に使用できる結束バンド、ダクトテープ、キネシオロジーテープ(撮影:深瀬あみ)

 バンドやテープ類を靴底の土踏まずの部分から、一方はかかと側に、もう一方は足の甲の方へ巻きつける。中でも結束バンドは歩いているときに、かかと側がずれる可能性があるので、かかと側のバンドにもう1本バンドをひっかけて、足首をぐるっと1周巻こう。靴の横から見て、バンドが三角形になる形になるとよい。さらに足先側にもう1本巻くと安定する。

 また結束バンドやテープ類は、グッズをザックにひっかけたり、ウェアの穴あき補修など何かと使用できるので、ソール剥がれの心配がなくとも、いつも携行するとよいだろう。

結束バンド、キネシオロジーテープを使用した応急処置の例(撮影:深瀬あみ)

■剥がれたソールの費用や修理期間は?

 ソールの貼り替え費用はメーカーや販売店、破損状態にもよるが、10,000〜20,000円ほどかかるようだ。修理期間は3週間から長いと2か月程かかることもあるので、今後の計画次第では買い替えを検討する必要があるかもしれない。

 なお、あまりに登山靴が汚れている場合は、別途クリーニング代がかかったり、受付を拒否されることもあるので、できる限りきれいにしてから修理を依頼しよう。

 靴は登山装備の中でも、軽く見ると命に関わる重要なアイテム。事前チェックを怠らない、応急処置グッズを持つなどして安全に楽しもう。