●3. 登山靴
最後は、登山靴だ。山歩きのパフォーマンスを左右すると言っても過言ではないため、下記を参考に念入りにチェックしたい。
・泥や土で汚れていないか
・ソールがすり減っていないか
・ソールに亀裂がはいっていないか
・靴底が剥がれていないか
・インソールにカビが生えていないか
・靴ひもが切れていないか
・金具が錆びていないか
ソールに力を入れて割れたり亀裂が入ったりした場合や、ソールのすり減りが激しい場合は、使用せず専門店に修理を依頼するか、買い替えを検討する必要がある。
また、登山靴に使用されているポリウレタンは経年劣化するため、何もせずただ保管しているだけで素材が劣化してしまう。目安としては3〜5年が寿命であると言われているが、メンテナンスや保管方法によってはさらに短くなる。
さらに、意外と見落としがちなのがインソールだ。汗をかいたまま放置することで、カビの発生や異臭の原因になる。必要であれば新しいものに交換しよう。
■登山道具を長持ちさせるコツは下山後の「掃除」と「乾燥」
道具を長持ちさせるためのポイントは、下山後に行う「掃除」と「乾燥」の2つの作業だ。登山後は、汗や埃、泥、土などさまざまな“汚れ”が道具に付着する。放置せずその日の内にしっかり点検、整備を行うのが長持ちの秘訣。
目立つ汚れがなくても、登山の後は砂や埃など細かい汚れが付着しているため、雑巾で拭き取るなどしてきれいに「掃除」するのが大切だ。
また、汗や雨などの水分をそのまま放置すると、錆びやカビの原因になる。リュックであれば、ファスナーのスライダーの動きが悪くなったり、レインウェアや登山靴では蒸れて臭いやカビが発生しやすくなるため、しっかりと「乾燥」させるのが肝要だ。
■事前メンテナンスで楽しい春登山を!
今回は、登山の三種の神器である「バックパック、レインウェア、登山靴」の冬明けメンテナンスについて解説した。道具によってチェックすべきポイントが異なるため、記事内のチェックリストを参考にしっかり点検してほしい。
加えて、道具を長持ちさせる2つのコツ、「掃除」と「乾燥」も紹介した。登山などで道具を使用した後は、泥や土、埃などをきれいに「掃除」するのは基本中の基本なのだが、下山後は疲れてしまい後回しにしてしまいがちだ。しかし、登山道具の整備不良は命に関わることもあるため、しっかりと点検、整備したい。
道具のメンテナンススキルは、これからの春山シーズンだけでなく夏山も含めた全シーズンで役立つので、ぜひ参考にしてほしい。
事前準備と点検をしっかりと行い、安全で気持ちのいい山歩きを楽しもうではないか。