奈良県と大阪府の境界、生駒市高山町は自足で楽しむべき町

 まずは、京阪地区では小学校の頃に誰もが遠足で一度は来たことがあるはずの懐かしスポット、くろんど池の周回コースを進みます。

 現在は手漕ぎボートやペダルを漕いで進むスワンボートなど、昭和のデートも楽しめるレジャースポットのくろんど池ですが、奈良時代には貴族の荘園に水を運ぶためのため池だったと言われています。

 もともとこの周辺は砂地だったため、干ばつで度々苦しんだ先人の方々が、江戸時代初期から180年かけて造り守られてきた大切な場所なのです。今も農業用水として利用されているほか、防災重点ため池として指定され、今も昔も高山町を守っています。

”昭和のデート”を楽しめる懐かしスポット
手漕ぎボートだけでなく、アヒルからスワン、はたまた車ボートまで、いろんな種類のボートが楽しめます!

■奈良の端っこ、高山城跡への道中は四季を楽しめる隠れハイキングルート!

くろんど池から高山城跡に! 道標もシブい!!
城跡の入口は竹林。細めのトレイルが奥に向かって延びていて吸い込まれるよう!

 くろんど池の畔を時計周りに眺めながら、今回はたくさんある高山町の見所の1つ「高山城跡」を目指します。

 高山城は生駒市北部の高山を治めて南都を中心に活躍した鷹山氏が築いたといわれ、自然の地形を巧みに利用した防御施設の特徴を持っている山城の一種です。現在でも石垣や土塁、堀切などの遺構が部分的に残っていて、周囲の自然環境と一体化していることが特徴です。

 今は城跡へと至る道中が、四季折々の自然の美しさを楽しむことができるハイキングルートとして、地元の方々や隠れスポット好きなハイカーに人気です。 

高山城跡の見どころ、宝印塔にて
中郭に祀られる九頭龍社がある
生駒市教育委員会の案内看板で、この地の当時の風景に想いを馳せます

残すは京都の端っこ「京田辺」へ!

 高山町には、昔から残る見どころが他にもたくさんあります。

 特に名産品の茶筌(ちゃせん)は500年の歴史がある伝統産業です。他にも、柄杓や花器など竹製品の伝統と技を伝える里としても有名です。竹とお茶だけをテーマにした生駒山系のルートも作れそうなので、小さい町だけど奥深い高山町は、また機会を改めていろいろとご紹介したいと思います!

奈良県と京都府の県境、京田辺市の最高峰へ向かいます
笠上神社の入り口

 続いては、いよいよ最後の目的地となる京都府の端っこ、京田辺市の笠上神社へと向かいます。生駒市高山町との県境に鎮座する社は市内最高峰となる311m (神社奥の千鉾山)にあり、厳かな雰囲気漂う場所で、神聖な空気感に包み込まれ里山の静寂を感じることができます。

京田辺市の最高峰が記載漏れありまして失礼いたしました。

云われの案内板にもある通り、山城大和を見渡すことのできる絶景も楽しめる!
この日は少し天気に恵まれずでしたが、春は桜の見渡せるビュースポットになります