■白水峡で注意すべきこと

 白水峡へのルートは難易度が低く、登山口さえ見つけられれば、登山初心者でも心配無用だ。なお掲載写真を参考にしていただければ、登山口はすぐに見つかるはずである。登山道に案内板はないが、白い目印のテープを頼りに歩けば迷うことはない。またテープとテープの間隔も狭いので、見失うこともないだろう。

白水峡登山道は足元に注意(撮影:野口宣存)
崖がいかにもろいか想像がつく光景(撮影:野口宣存)

 ただし白水峡は立入禁止になるほど危険な場所である。立ち入らないにしても、白水峡の脇を通る登山道なので、油断は禁物。

 例えばビュースポットが近付くと、道幅が狭くなる。決して歩きにくい道ではないが、片側は白水峡、つまり崖だ。白水峡の景色に見とれて、足元がおろそかになれば、白水峡に転落する恐れがある。登山道から白水峡の底までは、かなりの高度差がある。できるだけ単独行は避けたほうがよいだろう。

 また、白水峡の登山道はそのまま歩くと、白水山を経由して六甲山山頂及び六甲縦走路に至る。目的が白水峡だけの場合は、景色を楽しんですぐに引き返すのが無難だ。

白水峡のビュースポットでは、木にしがみつきたくなる(撮影:野口宣存)
火星みたいだ(撮影:野口宣存)

 またビュースポットでは、崖側に寄りすぎないようにしよう。白水峡の土は脆いため、足元が崩れ、白水峡に転落する恐れがある。筆者は白水峡の迫力に足がすくみ、近くの木にしがみついていた。

 もし筆者と同じように木にしがみつきたいなら、しがみつく前に木をよく見定めることをおすすめする。崖に近い木は枯れていたり、下の土が落ちて浮いている状態だったりして、しがみついても頼りにならず、転落する危険があるからだ。

これを千尋(せんじん)の谷と言うのだろう(撮影:野口宣存)
下が見えない(撮影:野口宣存)

 なお、白水峡は地盤がゆるい場所であるため、雨天や雨天の翌日の訪問は避けたい。それに地面が濡れていたら、滑りやすくて危険だ。

■白水峡に行こう

 今回は、映画『キングダム 運命の炎』のロケ地、白水峡の紹介であった。

 白水峡は登山口へのアクセスもよく、白水峡墓園前停留所から白水峡への往復は、1時間もかからない。登山道の難易度も低く、体力がなくても大丈夫である。山歩きのあとは、豊臣秀吉が愛した有馬温泉に立ち寄りたい。

 ただ白水峡では、壮大な景色に見とれてしまったり、夢中でカメラのシャッターを切り続けたりして、滞在時間が長くなりがち。時間に余裕をもって行動しよう。

●【MAP】阪急バス白水峡墓園前停留所

住所:〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町

●【MAP】白水峡登山口

住所:〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町

●【MAP】白水峡

住所:〒651-1423 兵庫県西宮市山口町船坂

●【MAP】神戸電鉄有馬温泉駅/阪急バス有馬温泉駅停留所

住所:〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町字ウツギ谷1297−1