■遠足尾根を登り、標高をいっきにUP
ある年の暮れも押し迫った12月28日、年納めの日帰り雪山登山と称して、友人と二人で寒気通過後の暖かな気候の中、竜ヶ岳に登った。
宇賀渓にある竜ヶ岳駐車場から見上げると、山頂付近が雪で白くなっているのが確認できた。雪山装備を確認し、傾斜地や岩場もあるため前爪のある10本アイゼンと、深い雪ではなさそうであったためピッケルではなくストックをチョイスした。風は暖かいが、念のため熱い湯を水筒に入れておいた。
宇賀川を上流へ上るように歩いていくと、遠足尾根へと続く尾根があり、登山開始だ。「こんなに急だったかな」といつも感じる急な登り。雪があるとズルズルと滑り、なかなか距離が進まない。焦らず進むと、岩場に到着し、視界が広がった。
晴天の空を見上げ、俄然やる気が溢れる。急登の先が見えてくると、歩みが軽くなるのは不思議だ。
■視界が広がり牧場のような山頂付近へ
さっきまでの急な尾根道とは打って変わり、なだらかな尾根がのどかな風景を見せ始めた。竜ヶ岳独特の風景だ。
普段は緑の笹の絨毯に包まれる竜ヶ岳だが、雪が降ると白くこんもりとした印象の姿になる。ソフトクリームのように、おいしそうに見えるのは筆者だけだろうか。沢沿いにポコポコとした樹木「シロヤシオ」が生えている。
シロヤシオはツツジの一種で、春に真っ白な花が開花すると「白羊」、秋に真っ赤に紅葉すると「赤羊」と呼ばれている。牧場のような広大な景色が広がる竜ヶ岳ならではの呼び名だ。
冬に樹氷がくっつくと「白羊」になるのだが、今回は気温が高く残念ながら「白羊」はおあずけ。やはり鈴鹿は1月からが本番。今度はぜひ樹氷「白羊」を見たいものだ。
■下りは金山尾根から
山頂を満喫したら、金山尾根から下山。急な下りで雪がついていると更に注意が必要だ。距離も短く行きよりずっと早く下山できるので、その早さがかえって寂しい。「また来年も楽しく山行に励もう」と心に決め下山した。
■竜ヶ岳を楽しんだら鈴鹿セブンマウンテンへ
竜ヶ岳からあたりを見渡すと、鈴鹿セブンマウンテンの他の山が気になる。竜ヶ岳がこんなにきれいで楽しければ、他の山はどうだろう。次なる山への好奇心が湧き立つ。
やはり鈴鹿は「御在所」を外せない。快適に山頂直下まで運んでくれるロープウェイがあり、手軽に山頂からの景色を満喫できる。
また御在所へ向かう登山道は多く、頼れる先輩やガイドに連れて行ってもらうような岩場も多くある。筆者が山岳会に在籍していた時は、ロープを確保してもらい沢を登った。初心者からベテランまで楽しめる奥深い山なのだ。
「竜ヶ岳」を満喫したら、ぜひ鈴鹿セブンマウンテンの他の山へ。思わぬ楽しみや山登りの楽しさに出会えるかもしれない。
●竜ヶ岳
住所:〒511-0266 三重県いなべ市大安町石榑南
●竜ヶ岳駐車場(竜のコバ)
住所:〒511-0266 三重県いなべ市大安町石榑南2999-5
電話:0594-78-3737
URL: https://ugakei.info/
駐車料金:普通車500円