■10年使って感じた、手入れのしやすさと経年変化

ZライトソルSは液体をこぼしてもあまり染み込まず、水洗いできて便利(撮影:鈴山まき)

 ここでは、筆者たちが使っているシュラフマットの、手入れのしやすさや経年劣化について紹介する。商品やそのスペックによって、この辺りはかなり違いが出るので、購入時に確認してほしい。

●クローズドセルは手入れのしやすさに利点?

 ZライトソルSは汚れや水が染み込みにくく、手入れしやすい。以前このマットにお酒をこぼしてしまったが、きれいにふき取れて帰ってから水洗いもできた。汚れても丸洗いできるので、10年以上きれいな状態を保てている。

霧吹きで濡らしてすぐのシエラトレイル120(撮影:鈴山まき)
濡らしてから30分後の状態(撮影:鈴山まき)

 対して夫のシエラトレイル120は、汚れや水が染み込みやすい。夫曰く「テントの結露や雨でマットが濡れると致命的」だそうだ。

 試しに、シエラトレイル120の表面を水が染み込まない程度に霧吹きで濡らし、乾くまでの時間を計ってみた。室温28℃、湿度約60%の風通しのよい室内で、マットが完全に乾くまで2時間弱かかった。

●エアマット式は経年劣化による穴が弱点?

10年使ったZライトソルS。へたりや傷はあるが、まだまだ使える(撮影:鈴山まき)
10年使ったシエラトレイル120。空気が抜けてしまうので買い替え検討中(撮影:鈴山まき)

 次に、経年変化について。冒頭でも述べたが、筆者のテント泊登山の頻度は春~秋に月1回程度。この頻度でシエラマット120は7年目くらいから空気が抜けやすくなってしまったが、ZライトソルSは少しへたれてきたくらいで、まだまだ使える。

 エアマットやインフレーティングマットの致命的な欠点は、穴が開き空気漏れをおこすと使えなくなってしまうこと。クローズドセルマットはその心配がなく長く使えるので、かなりコスパがよいと思う。

■好みや用途に合わせてシュラフマットを選ぼう

 筆者はクローズドセルマットの使い勝手のよさや丸洗いできること、コスパのよさを気に入っている。一方夫は、携行性と寝心地のよさからエアマットがお気に入りだ。

 この記事は筆者の家にあるシュラフマットのみの比較だが、登山用品店にはたくさんのシュラフマットが売られている。用途や好みに合わせて、自分に合ったマットを探してみてほしい。