■ブッシュクラフトは単なるレジャーではない学びの機会
「自分のやってることに酔うってことも大切な要素なんだよ。格好つけていいんだ。主人公は自分なんだから。そうやって、生きてるぞ! っていう感覚を味わって欲しい」
ブッシュクラフトはアクティビティではあるけれど、単なるレジャーではないと言う。自分で意識的にスキルを深めて行けば、それだけ得るものも返ってくるものも大きいのだ。
社会の中で生きるということは、ある意味歯車になる、ということでもある。それは生きがいにもなり得るが、時には自分自身を擦り減らしてしまうこともあるかもしれない。
「錯覚でもいいからさ、あたかも自分自身の力で生きてるような感覚を楽しむのが良いんだよ。それもブッシュクラフトの魅力だよね」
誰に迷惑をかけるでもなく自分と向き合い、自然の中で生きている実感を取り戻すことが出来るのだ。
「今はインターネットで、会ったことはないけど、ブッシュクラフト好き同士で簡単につながれるでしょ。僕の場合はモーラナイフのアンバサダーのグループだったりするんだけど」
「海外のイベントに呼ばれて行くと、そんな人達と初めて会う機会が結構あって。『お前がナガノか〜!?』 って言って、いきなり向こうから抱きついてくるんだよね。そこでアイデアやものを交換し合ったりしてね。ブッシュクラフトの文化って世界共通だから、派閥も人種も関係ない。会うと皆、兄弟みたいに仲が良いんだ。先住民族もみんなそうなんだけど、みんな素直で明るくて優しくて。直感で生きてるんだよ。笑」
自然の中で過ごすことを極めたもの同士、なんの隔たりもなく付き合えるのかもしれない。