■小浜島の絶景リゾートホテルで暮らす島猫たち

 続いて、小浜島。訪れるのは3度目だが、毎回1、2匹しか島猫にしか出会えず、本連載で紹介する機会がなかった島だ。今回、いつもとは違う北側のホテルを選んでみたところ、そこで嬉しい出会いが待っていた。

 ホテルに到着したのは、太陽が真上にあるお昼過ぎ。荷物を預けて撮影に出かけようとエントランスを通る際、鉢植えの影にエサ場がちらりと見えた。これは「いる!」と、スタッフさんに尋ねてみると、「日中はどこか涼しいところで過ごしているみたいですが、夕方になると出てきますよ」と教えてくれた。

小浜島の絶景リゾートホテルで暮らす島猫たち
ブーゲンビリアと一緒に玄関先でお客様をお出迎え
知らない人はちょっと怖いけど好奇心には勝てない

■「離島らしい時間」が流れていた

 日没間近の、島がいちばん美しい時間に猫たちはエントランスに現れた。草刈りをしているスタッフさんの後ろで小さな2匹が駆け回り、その様子を少し大きな1匹が見守っている。聞けば、大きな雄と小さな2匹は叔父と甥の関係だという。普段であれば、夏場はホテルも満室でスタッフさんも忙しい時間のはずだが……、いつもとは少し違う夏。猫たちと遊びながら、このホテルで暮らす歴代猫たちのお話も聞かせていただいた。島猫たちにとっても、久しぶりに「離島らしい時間」が流れる夏だったのかも知れない。

文/シマネコキネマ 写真/仲程長治