■水しぶきと紅葉の共演! 日本百名瀑の一つ苗名滝
笹ヶ峰高原にある「乙見湖」から流れてくる関川に懸かる苗名滝(なえなたき)。雪解け水の多い時期には地響きにも似た轟音がすることから、“地震滝”とも呼ばれており、日本の滝百選にも選ばれている。豊富な水量を誇る滝とそこから流れ落ちていくその水は、遠く日本海に流れ着くまで流域の人々の暮らしを支える大切な流れになっている。
筆者も幼き頃は親に連れられ、イワナの塩焼きとグルグル回る“流しそうめん”を食べ、滝の近くで水しぶきを浴びて涼をとっていた。そんな馴染みの滝にも紅葉の時期がやってきた。久しぶりに訪れた滝は、数年前の豪雨災害で落差も変わり、アプローチの遊歩道も大幅に変わっていて驚いた。吊り橋を経て滝へと続く遊歩道は歩きやすく整備されており快適だ。川と滝からのマイナスイオンが感じられる気持ちの良いトレイルになっている。片道15分ほどの道のりだ。
滝の前にも吊り橋があり、いつものゴウゴウとした流れの滝を見てほっと一息。青い空の下、紅葉に染まる樹木の生えた岩肌に午後の斜光の光が差し込む。カメラのシャッター音がしきりに聞こえてきた。水しぶきにかすかに架かる虹も美しかった。
駐車場は広くアクセスも良好だ。イワナのいる池とレストハウスはそのままに、おしゃれなソフトクリーム屋さんができていた。筆者は苗名滝というと「ああ、流しそうめんの滝でしょ?」というイメージがある。目の前を歩いていく子どもたちに何年後かに尋ねたい。「苗名滝? ああ、ソフトクリームの滝でしょ?」
■三段紅葉に染まる妙高高原の秋
絶妙なタイミングで三段紅葉に染まる妙高高原の秋。紅葉のピークはじわじわと標高を下げ、ドライブコースや麓のハイキングコースでも紅葉を楽しめるようになってきた。
今年もゴンドラでアクセスできるハイキングコースも解放されている。数日前の降雪時は雪と紅葉の奇跡のコラボのトレイルを歩けたのではないだろうか。最近の寒暖差で色づきも良く、カラマツなどの黄葉はむしろこれから。MTBのトレイルでのイベントや「いもり池ビジターセンター」のハイキングコースもおすすめ。紅葉トレイルを楽しんだ後は温泉も楽しんでいきたい。
まとまった降雪があれば、笹ヶ峰高原へは来春まで通行止めとなる。天気予報をチェックしてクマ対策、朝晩の冷え込みへの防寒対策も忘れずに。心に残る紅葉散策にでかけてみてはいかがだろうか。