■甘い梨には欠かせない土壌診断
梨園の基礎となる土壌は、天候や環境で毎年同じわけではないため、年に数回、しっかりと土壌のチェックを行なわなければならない。土壌診断の結果から、必要な肥料を必要な分だけ追加することで、梨の木にとって過不足のない良い環境づくりとなり、おいしくて甘い梨が出来上がるのだとか。
彦根梨の場合は、他産地よりも防除(農業害虫や病害の予防および駆除)回数を少なくし、フェロモン剤を使うことで化学農薬も削減し、そして年に1回の土壌診断を行い、100%有機の元肥資材と肥料を使って栽培を行っている。
■品種ごとに甘さの特徴が変化する梨をもっと楽しんで
彦根梨の品種は、「豊水」「幸水」「筑水」「なつしずく」「秋月」の5種類。今回の取材で収穫作業を見せてもらった豊水は、酸味と甘みのバランスがよく、字の如く豊富な果汁を含んでおり、大きな形が特徴である。
奥田さんは、他に幸水となつしずくを栽培しており、幸水は甘味が強いのが特徴で、なつしづくは幸水の甘さよりあっさりしており、しゃりしゃり感の強い食感だと教えてもらった。
また梨に多く含まれている果糖は、冷やすと糖度が増す成分を持っている。 梨を食べる際は冷やしたものが断然おすすめと奥田さんは教えてくださった。
■甘くておいしい梨をぜひ子どもや若者にも届けたい
甘くておいしい梨作りのために、梨の木の下には草を生やしてダニ対策を徹底し、年に1回の土壌診断のもと、100%有機の元肥資材と肥料を使い、真心こめた栽培を行う。
そうした安心安全の品質を保つための努力が周知され、たくさんの品種がある梨をもっと消費者の方にアピールし、若者や子どもにたくさん食べてほしいと奥田さんは話す。
奥田さんや生産者の情熱と努力が、梨の消費を促進し、地域農業に活気をもたらすことを願うばかりだ。