■由布岳が百名山に入らなかった理由とは?

美しい山体は百名山に劣らない(写真:川内 勇貴)

 百名山の選定基準は、選定者の深田久弥が登ったことのある山であること、名山にふさわしい歴史があること、山に個性があることに加え、標高が1500m以上であることとされている。

 なぜ由布岳は百名山に入らなかったのだろうか?

●なぜ日本百名山に選ばれなかったのか?

 明確な記述はないが、深田久弥自身が「70座はすんなりと決まったが、残りの30座は他の候補と紙一重だった」とされることから、候補に入った時点で甲乙つけがたい山であった。

 さらに「九州は6座選んだが、ほかに由布岳、市房山、桜島山が念頭にあった。何れも個性のあるみごとな山である」と語っている。

 選定基準をすべて満たしているにも関わらず、百名山に選ばれなかったのは、まさに悲運といえる。

●新日本百名山に選定!

 近年では登山家の岩崎元郎(いわさきもとお)が、先の日本百名山の選定基準に加え、中高年が登りやすい山という基準を加えた新日本百名山を選定した際に、由布岳は見事、新日本百名山入りしている。

 また、九州百名山、大分百名山、日本二百名山にも数えられ、素晴らしい山であることは間違いない。