■ダムのない上流部を選ぼう
川は下流に行くほど生活排水などが流れ込んでくるし、水温も高くなっていき(夏だと25℃くらいになるところもある)水風呂には向いていない。上流部の川が一番良い条件が揃っている。
では、上流部ならどこでもいいかというとそうでもない。上流にダムが多い川は、水が滞留して水温が高めになってしまうだけでなく、水に含まれるミネラル成分が沈殿して薄まって水質も落ちてしまうのだ。
ということで、ベターな選択は「上流部でダムのない川」となる。では、ベストの選択はなにか? というと、さらにマニアックに「地質」を見るということが大事になってくるのだ。
■ベストな川の条件は「石灰岩地質の伏流水」である
日本は世界に類を見ない、上質な石灰岩の地質が多い国だ。石灰岩の地質は、いわゆる洞窟が多いエリアと考えるとわかりやすい。有名どころでは、秋吉台や富士山麓などが挙げられる。
石灰岩地質の山に雨が降ると、水は地中の細かな洞窟内に流れ込んで濾されに濾されていって美しい水となる。まさに天然の浄水器だ。さらに石灰岩の中に多く含まれるカルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどが水に溶け出し、水風呂として最高の水質成分を形成するのだ。
日本一の水風呂として名高い静岡の「サウナしきじ」も、カルシウムとマグネシウムが豊富に含まれた天然水だということはよく知られている。
地下に潜り込んで流れる水のことを「伏流水」といい、地中では年中安定して15℃前後の水温となる。それが湧き出た直後の川が、水温・水質ともにベストな水風呂となる。