■実際に中に入っているもの

もともと個包装のものはそれでいいが、包装されていないものは衛生面を考えてチャック式の小袋に入れている(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

・アルコール消毒シート
・ビニール手袋
・はさみ
・包帯、絆創膏、ガーゼ、傷あてパッド、三角巾、綿棒
・テーピングテープ
・靴ひも予備
・刺抜き
・安全ピン
・穴あきペットボトルキャップ
・ごみ袋
・ティッシュ
・ソルボバン
・マキロン(消毒)
・ロキソニンテープ(鎮痛消炎)
・ロキソニンゲル(鎮痛消炎)
・ムヒアルファEX(虫刺され)
・熱さまシート(冷却用)
・貼らないタイプの携帯用カイロ(保温用)
・総合感冒薬、解熱・鎮痛薬、胃腸薬、持病の薬などの内服薬

 ポシェットにはガーゼ付き絆創膏と、足がつった時のために「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」を入れて、すぐ取り出せるようにしている。ポイズンリムーバーは、別の容器に入れてバックパックに収納している。ファーストエイドキットは、すぐに取り出せるところに収納するのが鉄則だ。

 一般的な本では、このほかにサムスプリント(副木)、エマージェンシーシート、体温計、ピンセット、人工呼吸時のマウスピースなどが推奨されているのをよく見る。

■説明書やレスキュー方法解説シートも大切

登山雑誌の付録についていた「ピンチシート」は、キットを開けたらすぐ見える場所に入れてある(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 そんなときに焦らないように、使い方を身につけるのが大前提ではあるが、ポイズンリムーバーの説明書や、手当の仕方の簡単な説明書を、目立つように一緒に入れてある。

■実際に役に立ったもの

 いろいろ用意してはいるが、これまでの経験で、「持っていて助かった」と思ったのは次の2点である。

・ソルボバン
足指に違和感を覚えたら、早めに「ソルボバン」を貼るようにしている。おかげで、靴ずれやマメなどのトラブルを生じたことはない。

・エアーサロンパス
槍ヶ岳の登山中に、同行者(家族)が足の痛みを訴え、歩けなくなった。登頂は難しいかと思ったが、エアーサロンパスを使用すると痛みが治まり、その後は無事登頂できた。同行者からは「エアーサロンパスがあって、ほんとに助かったよ」といわれ、それ以来、山には必ず持っていくようにしていた。ただ、山小屋など屋内での使用ははばかられるので、現在はゲルタイプの鎮痛消炎薬をキットに入れている。

■最後に

 実際にはめったに使うものではないが、いつトラブルが起こるかはわからない。救助を呼ぶ前にできることをしよう。また、救助を呼んでから待つ間にできることをしよう。そのためには、ファーストエイドキットを必ず持つことがまず基本である。