山のレベルを問わず、登山の必須アイテムである「ファーストエイドキット」。本記事では、登山ショップスタッフである筆者が、普段の山行で持ち歩いているファーストエイドキットの中身や、実際に役立った実例を紹介する。
■最初の処置&防止に役立つ「ファーストエイドキット」
ファーストエイドキットとは、登山での万が一のケガや、病気の際に最初に処置を行うためのグッズ。転倒や虫刺され、疲れによる体調不良、低体温症など、登山ではさまざまなリスクが伴うため、どんな山でもファーストエイドキットは必需品だ。
ケガや病気になった後の処置だけでなく、防止に役立つグッズも入れておくのが望ましい。しかし、あれもこれもと持っていきすぎても荷物が重くなるため、必要なものを精査し持ち運ぶことが重要だ。
■ファーストエイドキットの中身紹介
筆者がいつも持ち歩いているファーストエイドキットの中身は20アイテムほどで、重量は約300g。必ずザックのすぐ取り出せる場所に入れており、泊まりがけの長期山行であれば絆創膏や常備薬を増やすなど、工夫している。
この中身を「ケガ」「病気」「ギアやウェアのトラブル」の3つの事態に分けて紹介していく。
●万が一のケガに備えるもの
転倒や虫刺され、下山時の膝痛などのケガに備え、絆創膏や軟膏、化膿止め、ポイズンリムーバー、消毒用アルコール、ティッシュ、テーピングテープ、湿布、手ぬぐいを常備。
絆創膏はいろいろなサイズを多めに持っておくと、さまざまな状況に対応できるため便利。テーピングテープは手で切れるものと切れないものがあるため、購入時に確認しよう。緊急時の使用を想定し、手で簡単に切れるものを準備しよう。
手ぬぐいは、ケガした箇所に巻きつけ包帯代わりとしての使用や、水で濡らして首に巻くと熱中症対策にもなるため常備しておこう。