■川根本町の皆さん、お世話になります
一人下界に残されたわたしは、ヘリで上げてもらうための荷造りの準備を担当。昨年はともちゃんと一緒に荷造りができたけれど、今年は川根本町のみなさんにおんぶに抱っこ状態です。今回は役場のみなさんが総出でサポートしてくれました。昨年も手伝ってくれた地元の方が、「今年も行くよ」と声をかけてくださり、心強いのなんの。毎年この時期にしか会えない人たちだ。
この時期だけ、年に一度の再会となる方もいる。こうやって徐々に繋がりができていくことも、山小屋の仕事の醍醐味だと思う。麓に知った顔が増えることは嬉しい。
「今年も頑張ってね」と声をかけてもらうと、もうひとつの我が家のような温かさを感じる(私の住まいは川根本町にはないのだけれど)。自宅を出発してから二度目の「行ってきます」だ。
■前日に荷造りが完成。あとは明日を待つばかり。晴れろ〜
ヘリでの荷上げ同様、じつは荷造りも天候に左右されるので、ヘリ荷上げ予定日の一週間前から麓の川根本町に滞在した。
雨が降ったり、高温過ぎたり。なかなか思うように荷造りは進みません。モッコ(荷物をまとめて吊り下げる網)を濡らしてしまうと重くなるため、組んだ荷は濡れないよう注意したいので、雨の日は作業ができません。
年に一度のヘリ荷上げなので、野菜だってできるだけ日持ちさせたい。となると、やっぱり前日に頑張るしかないよね。日射しが落ち着き出した16時頃に、明日ヘリが飛ぶと信じてみんなに集まってもらった。
荷姿がどうだとか、バランスがどうだなど、ああでもこうでもないと話しながら、みんなのおかげで綺麗に荷物が完成した。1回のヘリで、モッコ2つ分を吊り下げて運んでもらう。大きさ、厚さが決まっている指定のブルーシートで荷物を包み、最後にモッコで包む。今回はなにが嵩張るのかわからないが、その数十個ほど。皆さんに手伝っていただき、大助かりだった。
作業後、魚や納豆などの買い出しを終えて、「次に行けるのは4か月後だし……」と思い、スーパーの隣りにあったコンビニにふらりと入る。
翌朝のごはんを購入したら、なんと合計金額は「777」。単純な私は、明日は織姫と彦星が年に一度出会う7月7日だし、これはもうすべてうまくいく暗示だと解釈した。明日届けてもらう予定のカチンコチンの冷凍お肉を荷物に加えたら、準備は完璧。
宿に戻り、明日からのことを少しだけ心配しながら眠りについたのだった。