イタリアにはマッターホルンやモンブランをはじめとした有名な山が多数あり、登山愛好家の聖地とも言える。毎年世界各国から雄大なアルプスの景色を求め、多くの人がハイキングに訪れる。

 そんなハイキングの聖地イタリアの、数ある魅力的な登山道の中から見つけた、52もあるトンネルを通り抜けていく超個性的登山コース「52トンネルルート」を登山レポートする。

■Strada delle 52 Gallerie(52トンネル道)とは?

1917年の第一次世界大戦中に造られたストラーダ・デレ52ガレリエの登山口

 「Strada delle 52 Gallerie(ストラーダ・デレ52ガレリエ)」は、1917年の第一次世界大戦中にイタリア軍隊により掘られたトンネル道で、当時は軍事通信の道路として作られた歴史的登山道だ。イタリア北部、アルプス山脈の入り口、ポルテ・デル・パズービオに位置し、現在は登山道として整備されている。

断崖絶壁にある、いくつものトンネルを通り抜けていく

 名前の通り52個もあるトンネルを通るコースになっており、全長6,300mのルートのうち2,300mは岩場に掘られた52のトンネルに分かれている。トンネルは8mと短いものから318mと長いものまであり、中は一切光が入らない暗闇なので懐中電灯は必須だ。

 トンネルはそれぞれ1から52まで標識が設置されているので、カウントしながら進むトレジャーハントのような面白い登山道になっている。

■52ものトンネルを通る登山コース

スタート地点の1番トンネル

 スタートは標高1,200mにあるボッケッタカンピリヤの駐車場から。トンネルルートはひとつだけで往復約12km、約5時間の周回コース。

 子ども連れのファミリーや犬連れ登山者もいて、幅広い世代の方に楽しまれている登山道のようだ。登山口には駐車場のほか、トイレや軽食のできるレストランもあるのでしっかり登山準備を整えてから出発が可能。

トンネル内は暗いため、ヘッドライトで足元を照らしながら進む

 序盤の登山道は樹林帯で整備されており、分かりやすい。開始5分ほどで最初のトンネルにたどり着き、そこからは52個ものトンネルを通るコースがスタートする。トンネル内は照明設備などないため、懐中電灯は必須。両手が自由に使えるヘッドライトがおすすめだ。